内容説明
医師という言葉すら知られていなかった時代、ひとりの少年が手を触れた人の死を悟る不思議な力に気がついた―それから約十世紀。「医師の手」は選ばれし一族に、脈々と受け継がれてきた。医学と宗教が葛藤するペルシア、一族の故郷ロンドン、インディアンと出逢い迫害と戦争に翻弄されたアメリカ。様々な時代と場所で、彼らが救った命は数知れない。そして現代、ひとりの女医がその運命を担う。大病院でのキャリアを捨てて、無謀にも田舎で医者となる道を選んだ。医療問題と格闘し、人々と触れ合いながら、彼女が、千年医師が見つけた本当の幸せとは―。欧州で大ベストセラーを記録した一大感動巨編、ついに完結。
著者等紹介
ゴードン,ノア[ゴードン,ノア][Gordon,Noah]
記者、科学誌編集者、医療ジャーナルの発行者等を経て、作家に。現在、マサチューセッツ州西部の農場で3人の子供夫婦と同居。地方紙の編集に携わりながら、救急医療技師としてボランティア活動も続けている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akio
4
過去のロブジェイたちの物語を読んだのは果たしていつのことだったか。懐かしい思いで末裔となる女性医師の物語を手に取った。正直、前作、前前作のように先を読み急ぐような魅力がなく、登場人物にも感情移入しにくかった。今後、ハート形の石を見つけたら目を止めてしまいそうな気はする。2014/12/19
Sugi Takahiro
1
ロブ・Jの子孫、ロバータ・ジャンヌダルク・コール医師の物語。ボストンの病院を辞めて田舎の町医者になったRJが、医療保険問題、中絶デモ、自身の恋愛と向き合う。何かあっと驚く展開や興奮はないものの、田舎の情景やRJの心情などが繊細に描かれている。 こんなジャンルのしかも長編は初めて読んだ。この人のほかの作品も読みたいなぁ。2014/09/27
ももこ
0
シリーズ最終章。未だ医師という職業がなかった10世紀のロンドンで、人の死を悟る能力を持ったことから生命の成り立ちについて興味を持ち、ペルシアで大成した一人の男。その生来の能力と天職は彼の子孫に連綿と受け継がれ、千年後の現代に女性医師を生み出していた。物語は宗教とも根強く絡み、この章ではカソリックの禁ずる中絶処置に医師として、女性として向き合う主人公の生き様を描いている。その彼女が新しい生命を宿したところで物語は終わる。コール一族の未来への扉を開いて。2016/05/26
ぷくらむくら
0
三部作の中で一番面白かった。ハートストーンに黙祷。2009/01/28