角川文庫
双生の荒鷲

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  • サイズ 文庫判/ページ数 461p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042795018
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

老作家と妻は、旅行中嵐に遭い、イギリスの小さな漁村に避難した。宿の老主人は、妻の持っていた飛行服姿のテディベアを見て心底驚く。そして懐かしげにゆっくりと昔を語り始めた…。第二次大戦時、そのテディベアは英空軍で活躍したハリー・ケルソーという希代の天才飛行士と共に空を飛んでいたという。しかし、その名は国家機密保護法によって、ずっと秘されていたというのだ。さらに驚くことに、ハリーには敵国ドイツ空軍で活躍したマックスという双子の兄がいたらしいのだが…。敵味方に分かれて大空を翔けた二人の試練と悲劇―運命を超えた兄弟の絆を描く、ヒギンズ大復活の本格航空冒険小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

76
さずが戦記モノ作品を書かせたら一品。ケルソー兄弟(双子の兄マックスと弟ハリー)の悲劇を描く。『わたし』と称する作家の第2次大戦のルポというかたちで著者の体験として語られる設定。ライサンダーやユンカース(Ju88S)、Me109(メッサーシュミットのこと。でも正式名はMe109)、またシュトルヒにランカスター(B-17)等が登場し、往年の戦闘機ファンに見せ所満載の空戦が描かれている。始めはゆっくりなテンポで進み、後半一気にテンポアップする記述は、ラヴェルの『ボレロ』を聴いているような雰囲気を醸しだしている。2015/02/25

Panzer Leader

28
自分の中でも生涯No.1の『鷲は舞い降りた』のヒギンズも90年代になると駄作の連発で終わった作家との認識があったため、最近まで本書の存在さえ知らなかったのだが...ごめんなさいヒギンズ先生、私が間違っておりました。物語としては鷲舞のパターンを継承しつつも本作ではアーチャーのクリフトン年代記の様な味わいも楽しめる。実在の人物達との絡みも面白く、特にガーラントなどはイメージ通りの描き方。ヒムラーのぶれない卑劣さもある意味すがすがしい。鷲舞が100点とすれば95点はつけられる正に本格航空冒険小説。2016/11/05

Richard Thornburg

20
感想:★★★★  コイツはアタリでした?  『鷲は舞い降りた』の興奮を呼び覚ましてくれるような物語でした。  正直、『鷲は舞い降りた』と甲乙つけがたい部分もたくさんあります。  中盤まではありがちな(笑)展開なのですが、中盤以降はスピード感もあって楽しめると思います。  メカも病的に書き込んであるわけではないのですが、シーンを思い起こすには充分な描写力で、当時の飛行機たちを見事に蘇らせています。  ラストは秀逸で泣けます。  もっと時間のある時にゆっくりと落ち着いて読みたい一冊でした。2017/10/31

スー

18
29飛行服を着たクマの縫いぐるみタークィンと天性の飛行気乗りで双子のマックスとハリーの冒険物語。運命は二人をドイツとアメリカに分けマックスはドイツの、ハリーはイギリスのエースパイロットになり戦闘機を駆り立てイギリス、ヨーロッパ、アフリカの空を舞台に大暴れ、手に汗握る空中戦と暗躍するスパイそしてアイゼンハワー暗殺計画、魔の手に捕まれた兄弟の運命は?登場人物達も魅力的で物語の中にドンドン引き込まれていき最後は涙で読了、もう夢中で読みました。ガーラントも魅力たっぷりで彼の本を読むのが楽しみになりました。2019/02/17

woo

13
ヒギンズ1995年発行版。いわゆる冒険小説のハシリと言ってもイイ作家で昔よくお世話になった?けど、やはりアメリカンハードボイルドとは一線を画すグレートブリテンな雰囲気は健在✌️現在90歳で多分まだ健在と言う息の長さも凄い😅 2008年以降は少なくとも翻訳はされて無さそうだが2020/04/30

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