内容説明
灼熱の地での戦闘がいよいよ始まった。玉砕覚悟の日本兵たちを相手に、あっけないほど簡単に仲間たちは倒れていく。草陰に身を隠しつつ、臭いと音にぎりぎりの神経をめぐらせ、いつ終わるとも分からない極限状況に身を委ねるほかない兵士たち。彼らの頭には様々な感情がよぎり続ける。人間を傷つけることに罪を感じる者、恐怖を悟られまいと虚勢を張る者、自分が何故この場で戦わねばならないのか悩む者…それぞれの葛藤は、時に反目となり、時に友情を生む。嫉妬、羨望、憎しみ、怒りという感情は、次の一瞬を生き抜くためのよすがとなる。生死の境に生きる人間の内面を克明に描き出した、超大作。
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