内容説明
ふたりは道路の真ん中で足を止め、すれ違った。ほんの数インチのところを、互いの目を釘付けにして。一秒が永遠ほどに思えた出会い、そこから全ては狂っていった―。見知らぬ男のミステリアスな魅力にとりつかれたアリスは、安穏な生活に別れを告げ、彼の妻となる。だがいったん手に入れると相手の全てを知りたくなるのが人の性。英雄的登山家という彼の過去を知ることは、未知で刺激的な毎日を、妄想と恐怖の現実に変えるものだった…。英国人気ミステリ作家が満を持して放ち、全英・全米の読者を虜にした話題作。息も吐けない衝撃のエロティック・サスペンスが、ここに誕生する。
著者等紹介
フレンチ,ニッキ[French,Nicci]
処女作『メモリー・ゲーム』、『記憶の家で眠る少女』(角川文庫刊)ですでに英国では人気のミステリ作家。3作目に当たる『優しく殺して』でアメリカに進出、圧倒的な筆力で一躍話題の新鋭となった。次作『Beneath the Skin』も角川書店から刊行予定
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
54
仕事もプライベートも上手くいっている主人公・アリス。ある日、道端で偶然出会った男性と一目で恋に落ちてしまう。愛するが故に彼の過去を調べ始めるアリスだが、不可解な事が次々に発覚し…。情熱的な愛というとかっこいいが、狂気的、暴力的な愛に思えてならない。仕事も手に付かず、優しい彼氏も昔からの友達も捨てる選択をするアリスに共感は出来ないものの、サスペンスとしてはかなり面白かった。ラストは予想に反して静かであっけなく感じたが、アリスに自分を忘れさせない効果的な結末ともいえるのかもしれない。愛も度が過ぎると恐ろしい。2023/12/28
LeeMetal
3
映画が酷評されているけど、私は映画の方が楽しめた。
つちのこ
2
寝食を忘れて…という形容がピッタリくるような面白さだ。 その理由として、伏線を張りめぐらし精神的に追い詰められていく心理描写はなかなかのもの。ミステリとしても極上である。しかし、あえて注文をつけたい。まず、主人公の夫であるアダムは登山家という設定だが、登山シーンの度数が低いため、登山家がもつ“独特な匂い”が今ひとつ感じられないのは少々残念。むしろ、ミュージシャンか詐欺師のほうがあってるようにも思える。後半になって事件の謎を解くキーワードになってくる登攀シーンの回想も、ザイル操作が絡むだけに分かりずらい。⇒2003/02/27
aoka
2
終盤が予想外でした2008/11/08
snow'ncream
1
恋は熱病のようなもの。2023/05/05