出版社内容情報
混迷を極める紀元前9世紀のイスラエル。子供の頃から天使の声を聞いていたエリヤに、運命は苦難と使命を与えた--。
内容説明
紀元前九世紀のイスラエル。世の中は混乱していた。指物師として工房で働くエリヤは、子供の頃から天使の声を聞いていた。だが、運命はエリヤのささやかな望みはかなえず、苦難と使命を与えた。「出来事」はすべての人に降りかかる。兆しを見つめるのか、見ない振りをするのか。諦めてしまうのか、乗り越えるのか。旧約聖書の時代から蘇る、愛と勇気の物語。
著者等紹介
コエーリョ,パウロ[コエーリョ,パウロ][Coelho,Paulo]
1947年ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ生まれ。世界中を旅した後に音楽とジャーナリズムの世界へ入る。1987年、初の著書『星の巡礼』を発表し、88年に発表した『アルケミスト』が世界的ベストセラーになる。現在は世界中を旅しながら作品を発表しつづけている
山川紘矢[ヤマカワコウヤ]
1941年静岡県生まれ。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入省。1987年に退官し、夫人・山川亜希子とともにスピリチュアルな本を日本に翻訳紹介している
山川亜希子[ヤマカワアキコ]
1943年東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。大蔵省勤務の夫・山川紘矢とともに外国生活を経験し、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの勤務を経て、翻訳に携わる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
39
旧約聖書『列王記上』に登場する預言者エリヤの物語を翻案した作品。ではあるが、ユダヤ・キリスト教こそ素晴らしいという内容ではない。それぞれがそれぞれの神の試練に耐え、自己との戦いに勝利してゆくべきだというメッセージが籠められている。試練という絶望から立ち上がり、永遠的な真理を残すためには、人は変わってゆかなければならい。そのために必要なのは謙虚さであり、思想を後世に伝え残すことであると。寓意性をもつ内容が盛りだくさんであるが、素晴らしいのは、預言者が特別な存在ではなく、一人の人間として描かれている部分だ。2020/10/25
阿呆った(旧・ことうら)
26
< 人生は私たちの姿勢によって決まる。そして、私たちは神が課した出来事を、生き抜かなくてはならない。神がそれを課す理由は重要ではない。しかも、どんなことをしようと、私たちはその出来事を避けることはできないのだ> ◆旧約聖書に出てくる預言者イリヤの物語◆ これは良書だと思う。2015/12/02
コージー
24
★★★★☆旧約聖書に出てくる預言者エリヤの話。パウロ・コエーリョが、彼の想像で物語を膨らませている。神託を受け、アクバルという町を訪れたエリヤ。苦難や絶望を乗り越え、自らの使命を果たそうと奮闘する話。本当にあった話のように、よくできたストーリーである。宗教色の強い小説ではあるが、信仰が必要かどうかというより、自らの力によって人生を切り拓くことの大切さを教えてくれている。2022/12/28
キューポップ
23
同作者による『星の巡礼』より面白く読めた。聖書の中の物語だが、真の言葉は永遠か。「今沢山の人が生きるのを止めている。ただ時間が過ぎるのを待っている。人生に反応し生きるのをやめてはいけない」。2024/05/16
磁石
17
お金や力や地位はなく、勇敢でも強い信仰があったわけでも賢くもなければ仲間すらいなかった、預言者エリヤ。ただ天使の声を聞くことができただけの男。そんな彼が歩んだ、苦しみの巡礼。進んでは打ちのめされ傷つく、そこら立ち上がってはまたすすむ、それの繰り返す。その果てにたどり着いた、己の運命。『アルケミスト』が陽の物語なら、こちらは陰といったところ。はんぱじゃない絶望のオンパレード、苛烈すぎる主の御手。でも、それが預言者として生きるという意味なのかもしれない。片手間では読み切れないのでご注意を2015/10/04
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