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角川文庫
タイムマシン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 276p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042703068
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

タイム・トラベラーが冬の晩、暖炉を前に語りだしたことは、巧妙な嘘か、それともいまだ覚めやらぬ夢か。「私は80万年後の未来世界から帰ってきた……」彼がその世界から持ちかえったのは奇妙な花だった……

内容説明

時空を超えることの出来る機械「タイムマシン」を発明したタイム・トラヴェラーは、80万年後の未来世界に飛ぶ。そこで見た人類の変わり果てた姿に、彼は衝撃を受ける。80万年後の世界、それは知力、体力が退化した地上種族・エロイと、エロイを捕食し光を恐れる地下種族・モーロック、この2種族による原始的な階級社会であった―。最新のVFXによって完全映像化されたSF小説の金字塔「タイムマシン」を含む、ウェルズの傑作短編集。

著者等紹介

ウェルズ,H.G.[ウェルズ,H.G.][Wells,Herbert George]
1866年生誕、1946年没。イギリスの作家・評論家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

333
この作品の最終稿の完成が1924年(ちなみに第1稿は1887年ごろ)。当時の世相は複雑だっただろう。そして、この作品もまたそうした背景を背負ってもいた。すなわち、アンビヴァレントな世界観がそれである。物語は80万年後の世界へのタイムトラヴェルを中心に描かれるが、そこに見られるのは文明の行き着く果ての姿と、そしてそれにも関わらずほの見える進歩史観とである。また、物語の最後に描かれる3000万年後の世界は、寂寥に満ちた終末世界だ。ウエルズ版による「ヨハネの黙示録」といったところか。この鮮烈な抒情に震撼する。2016/05/15

nakanaka

88
「SFの父」と称されるH・G・ウエルズの短編集。表題の「タイムマシン」は文句なしに面白かったです。映画はだいぶ前に観ましたが原作と結構違う内容でした。今でこそドラえもんやバックトゥザフューチャーなどの様々な作品に出てくる機械ですがこの作品が全ての始まりのようです。時空移動する仕組みなどの難しい話は私にはよく分かりませんが作品の中でかなり詳細に説明されていてウェルズの知識に圧倒されます。それでいて読みやすいという驚きもあります。「深海潜航」と「新神経促進剤」も面白かったです。とにかくその発想力に驚きます。2018/03/31

催涙雨

49
表題作含む計七編の中短編集。ウェルズの作品は透明人間に続いて二作目。タイムマシンものの原点ということもあり時間旅行にスポットのあたる冒険活劇とばかり思っていたのだが、ぜんぜん違っていた。透明人間と同様、SFとしての基礎的なアイデアに魅力を感じるのはまず当然として、そういう古典的な意味合いに留まらないインパクトをもっているのがこの作品の核心である西暦約80万年の未来文明とその描写。それは階級格差の激化した極端な資本主義の成れの果てであるアレゴリー的な世界観。今でも同じ意味をもっている。2018/07/26

イプシロン

46
タイムマシンに乗って未来や過去に行けようが、今、大地を足裏に感じて生きようが、人生は胡蝶の夢の如し。しかし、すべてが夢幻の如く虚しかろうが唯ひとつ信じられる確かなものがある。表題作はそんな命題で感涙を誘った。舞台設定、科学的考証、プロットなど何度も改稿しただけあって見事と言うしかない。巷間語られてきたように、資本主義の末路を予見している部分には唸らされる。著者は社会主義に強い関心があったと言われているが、地下人として描かれるモーロックを社会主義の成れの果て見ることも出来ると思えた。物語作品に暗喩として2020/11/05

しん

19
文庫にて再読。タイムマシン、夢のような機械だが、ドラえもんのようにはいかない。遠い未来の地球の姿、退化したような2つの種族。その想像力と筆力はさすが。黄昏の週末の場面が妙に心に残ってしまっている。2022/07/06

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