内容説明
地獄のような七月の暑さの中、ハップとレナードは、死去したばかりのレナードの叔父チェスターの家を掃除していた。しかし室内が片づくにつれて、汚れた秘密が姿を現す。腐った床板の下で見つかったのは、ポルノ雑誌に包まれた子どもの骸骨だった。警察に通報しようとするハップをレナードが止める。「誰かが叔父貴を殺人犯に仕立てようとしているんだ」―そして二人の独自の捜査が始まった。東テキサスのやけどしそうな太陽の下、徐々に明らかになっていく醜悪な真実とは…。ジャンルを超越した異才が放つ各方面絶賛の怪作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
honyomuhito
65
こりゃ痛快でクセがあって面白い!!口が悪くて乱暴者だが、女子供と年寄りにゃ弱い白人のハップと黒人のルナードの名コンビ。あるときルナードの叔父さんが亡くなり、叔父さんの家で遺品の整理をしていた二人は恐ろしいものを見つける。それは児童ポルノ誌で包まれた子供の骸骨だった。下品だけど面白いとの前評判を聞いて読んだが、思ってたほど下品じゃなかった。私の品性の問題か?笑。ごく頻繁に下ネタがよく混じる彼らの会話はとても粋で心地よい。https://chirakattahondana.com/ムーチョ・モージョ/2018/11/21
ずっきん
64
怒れる黒人のゲイ、レナードと、前科持ち女好きの白人ハップ。この汗と埃の匂いでむせかえるような野卑な二人が、胸糞な舞台で醜悪な真相にオフビートで挑む。品性の欠片もないこの白黒コンビがとにかく痛快。だらだらと床の張り替えしてても、料理してても、殴り込んでも、何やってても面白い。とどめの「なあ、ハップ、愛してるよ。ケンカするか」←クラクラきた! 最初に邦訳された『罪深き誘惑のマンボ』のみ既読だったが、なぜこんなにもツボだらけのシリーズを放置していたのか、自分で自分をぶん殴りたい。年間トップ5がまたしても揺れたぜ2018/10/30
Panzer Leader
62
下品でお下劣なプアホワイトとゲイの黒人コンビが巻き起こす犯罪を描いたピカレスク小説ってイメージで読み始めたんだけど、全然違う!その日暮らしで良しとして社会に対してシニカルな態度を取っているけど、彼らなりの正義感で弱きを助け悪どい奴らを叩きのめす。思ったほど下品でもなく全然許容範囲。このシリーズも追っかけ決定!2022/01/11
白玉あずき
27
ランズデールの幅の広さはすごい!ボトムズやアイスマンのイメージが良い意味で崩壊した。期待したほど下品では無かった(笑)し、このシリーズは貧乏白人と黒人という主人公二人組の設定が大成功、それが社会批判にストレートにつながっている。必殺仕置き人の爽快感だわな。レナードがプライドについて語る部分など、 下積みの人生の哀歓がほろりとさせて大好き。十数年読まずにホオッテおいた我が身の不明を恥じます、ほんと。ご紹介下さった読友様ありがとう、読書は縁ですね。2015/12/05
慧の本箱
20
貧乏白人のハップと黒人でゲイのレナードのコンビ。所は東テキサスそれも黒人コミュニティ。この二人の凸凹コンビの織りなすテトラポトラ話かと思いきや。どっこいこれが中々で、そんな中々な気分のまま読了。2022/02/07