内容説明
若きジャーナリスト、マイケルは雪に覆われたボスの別荘に招かれた。クリスマス・イブの夜、マイケルが、「傷痕のある男」の怪談をした時、青い目の少女スザンナは異常とも思えるほど怯えた。ニューヨークにもどり、数カ月が過ぎたある霧の深い夜、マイケルは車の中からあの「男」を見掛けた。あれは作り話だ、そんな男が実際に存在するわけがない。が、スザンナも同じ時、その男―何度も悪夢に現われては彼女を苦しめていた「傷痕のある男」―を見ていたのだ。夢の恐怖が現実となった時、二人は何者かに襲われた―。MWA賞を二度受賞した著者がリリカルに描く出色のサイコ・サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
32
ジャーナリストである主人公の、戯れの怪談話が現実となって、彼とそして恋におちた女子を脅かすようになるという、ホラーな出だしのミステリです。夢か現か顔に大きな傷のある謎の人物は、二人の過去に意外な関わりを持っていた...という展開。登場人物の関係が入りくみ過ぎて、読み進めながら右往左往してしまいます。決着につけ方に興味津々なのですが、途中混迷をきわめたため、真相が明らかになるラストは驚きが少ないですね。荒唐無稽な話が、辻褄があってしまうという力技。読み終えてしばらくしてから思い起こすと、へぇーとなります。2019/05/30
koo
2
主人公が新聞記者で読む前はてっきりハードボイルドかと思ったら傑作サスペンスでした。マイケルの創作した怪談話、ヒロインスザンナの悪夢の発端はホラーを思わせますがそこから数々の謎が生まれラストに全てが解決する手腕はお見事でした。ヒロインの父親が常識通り振る舞っていたら謎じゃない部分が多かったしマイケルは仕事ほったらかしで大丈夫か?と思いますがストーリーが面白いので問題ありません(笑)今作は創元じゃなく角川ですがユーモア、抒情性のある文章で訳も良かったです。クラヴァン名義の「秘密の友人」より正統派で好きかも。2021/09/02
負け猫
2
久々に満ち足りた読了感。なんて素晴らしいミステリ!!これは久々のヒットな隠れた名作。最初はいまいちと思って読み進めたら、最後に近づくにつれ、あれよあれよとページを繰ってしまった。おすすめな一冊。2012/10/12
ルウ
0
★32014/04/26
ロイ
0
★32014/04/26