内容説明
パリ近郊、関静な住宅街レタン・ラ・ヴィル。それぞれの家族がそれぞれの不安をかかえ、曖昧な家族の絆を信じきれないままに暮らしている。この中流住宅地に、連続して妊婦絞殺事件が発生する。おたがいに、疑心暗鬼になる隣人たち。子供に恵まれず、東洋系の養子をもらっていた住人の一人が容疑者として警察に連行された。それまで親しかった友人達も彼の無実を信じながら、どこかよそよそしい。そして、…。卓越した心理描写で、一見平隠な日常生活の奥に潜む不安と欲望、崩壊する家族を浮彫りにしたフレンチ・ミステリー久々の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小物M2
2
うーん、これは何とも惜しい作品だった。終盤までは傑作だと思っていたが…。フレンチミステリーらしいドロドロとした人間関係の情念、冷え切った家庭に影響する絞殺魔事件などは凄く読ませる。しかし、ラストの急展開はどうだろう。これでは普通のサイコサスペンスなんだよなあ。そもそも謎解きが要らなかった説もある。全体的には面白かったです。2024/04/23
Kitinotomodati
0
フランス人の名前が覚えにくく、入り込めないまま、突然真犯人が現れて終わった。フランスの中流家庭が活写されてるらしいので、こういう暮らしなのだろうと思った。2019/10/02