内容説明
1956年9月。フィリップ・マーロウのもとに、大物著作権エージェント、イエンシド・アンドレス自殺事件の調査依頼が舞いこんだ。警察発表では伏せているが、“自殺”現場にあった銃には安全装置がかかっていたという。アンドレスの美しいパートナー、ヴェルマ・ヴァレントも自殺の可能性を否定した。犯人はアンドレスの顧客、作家たちの一人か?作品をハリウッドや出版社に仲介するアンドレスは、その辣腕ぶりで敵も多い。“エージェントは人生の10%を絞りとる者”と批判したレイモンド・チャンドラーもアンドレスの顧客の一人だったが…。マーロウVSチャンドラー!異色の設定で描くハードボイルド。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeakisky
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チャンドラーじゃないマーロウ、手持ちの最後の一冊。三人称で綴られるマーロウには、ものすごい違和感を覚える。昔開いたときは20ページくらいで読むのをよした。そして今回。あのマーロウだと思って読むことが、そもそも間違いと読み進めて気づく。チャンドラーの創作したマーロウではなく、マーロウという名前の探偵。マーロウもの、ではなくチャンドラーものなのだ。だからタイトルもチャンドラーのエッセイと同じten percent of life。訳題は仕方ない気もするが、ひどい。ごめんなさい。面白かったです。2024/01/07
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- 和書
- 時代精神と青春小説