内容説明
1945年4月30日深更。ヒトラー自決によって主を失った総統官邸地下壕を密かに3人の人物が脱出した。マルティン・ボルマンと護衛役の〈人狼部隊〉将校、そしてもう1人は女であった。彼らはヒトラーの最後の望みを担って出発したのである。3人を国外へ送りだすための完璧な逃亡ルート、それは将来かならず登場するはずの、“第4帝国”につながる道でもあった。だが、ヒトラーはなぜ1人の女性を逃避行に送りだしたのか?やがて米軍防諜部隊がある記録を入手したとき、にわかにこの女の存在が重要性を帯びてきた。記録とは、総統の愛人エヴァ・ブラウンに関するものであったが―。
感想・レビュー
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コージ
3
ヒトラーの愛人、エバ・ブラウンはヒトラーとふたりで自殺する前日に総統官邸にて結婚式を挙げ正式にヒトラー夫人となった。それは史実。本作品はヒトラーと一緒に自殺したのはエバ・ブラウンの替え玉でナチが用意したルートにてSS将校とふたりで逃走するという話。逃げるSS将校とエバ・ブラウン。追うアメリカの諜報官と途中で同行する事になるナチの女看守の娘。フォーサイスの「オデッサ・ファイル」では極悪非道の収容所所長を追うから捕まれー‼となるがエバ・ブラウンとなるとなんとか逃げ切って欲しくなったが史実は変えられなかった。2020/04/20