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出版社内容情報
人間は嘘をつくが――金は嘘をつかない
40億の横領の疑いを掛けられた会計士は、拘置所で自らの運命を呪っていた。身に覚えの無い罪で捕らえられた男の前に、白髪で車椅子に乗った青年が現れ、告げる。「私は、あなたを救うことができます」と。その言葉に縋った男は、青年に新たな名前を与えられ、詐欺、横領、脱税、振り込め詐欺といった犯罪収益が資金洗浄される前に回収することを専門とする政府委託の部署『特殊債権回収室』――通称“トクシュー”に勤めることとなる。だが、そこに集められたのは皆、元犯罪者……罪を『犯した』側の人間だった――。
内容説明
40億の横領の疑いを掛けられた会計士は、拘置所で自らの運命を呪っていた。身に覚えの無い罪で捕らえられた男の前に、白髪で車椅子に乗った青年が現れ、告げる。「私は、あなたを救うことができます」と。その言葉に縋った男は、青年に新たな名前を与えられ、詐欺、横領、脱税、振り込め詐欺といった犯罪収益が資金洗浄される前に回収することを専門とする政府委託の部署『特殊債権回収室』―通称“トクシュー”に勤めることとなる。だが、そこに集められたのは皆、元犯罪者…罪を『犯した』側の人間だった―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
51
「特殊債権回収室」略してトクシュー。マネーロンダリングや振り込め詐欺といった金がらみの犯罪に立ち向かうチームは、皆脛に傷もつ連中だった。クライムノベルとして面白く読んだ。トクシューのチームが再び終結し、巨悪と対峙する姿が見たい。2016/07/04
うまる
35
あらゆるマネー関連の犯罪による収益を資金洗浄される前に回収する組織"特殊債権回収室"の話。会計ネタに詐欺、マネロン、お金関係の法律がわかり易く物語に盛り込まれていて面白かったです。難しいのはキャラ名だけ!(笑) 解説も親切めなので、ちょっとお金の話を知りたいって人でも大丈夫だと思います。会計経済小説が好きな方はもちろん、騙されないために読むのも良し。会計畑には小タイトルが一般原則なのもフフッてなります。 一応1巻完結だけど、ある人との因縁は続くようで2巻も楽しみです。2021/07/01
瀧ながれ
24
詐欺事件のニュースを見るたび、犯人が捕まってもなかなか被害額は戻ってこないのが、なんとかならんかなーと思います。「授業料」にしても痛すぎる。この作品みたいな超法規的な回収業者が、洗いざらい調べて引き上げてくれるといいのになあ。才能とコネクションと後ろ楯が必要だから、難しいなあ。回収室のメンバーが、悪態つきながらも仲良しな感じがよかったので、結末が嬉しいです。室長の外見含む設定がけっこうツボだったから、こちらの結末には残念な思いがしました。金融の話は難しくて苦手ですけど、悪党はいるので、自衛はしないとね。2017/06/25
アキナ
11
逮捕された犯罪者が隠した犯罪利益を、資金洗浄される前に見つけ出して回収する組織のお話。メンバーのコードネームが読みにくいですが、いかにもコードネームな感じがしてかっこいい。冒頭で次々と裏金を暴いて行く様子も素敵でした。専門的な解説も多い(特に悪いお金の使い途について)のですが、キャラが上手く説明してくれるので、すんなりと理解出来ました。話は完結しているのですが、今後に広がる終わり方だったので、次もあったら嬉しいなと思います。火事のシーンなんかは緊迫感があり楽しめました。2016/05/18
マイ
10
慣れない金融ものでキャラクターの名前も含め、語彙に悪戦苦闘(笑)ストーリーはしっかり複雑にくみ上げられていて、それぞれが特殊な経歴を持ち、各々の信念を貫く回収室の面々の個性も際立っていて読み応えがあった。ラスト、ぞくぞくするくらいかっこいい終わりでした。2016/05/26