角川文庫<br> 地獄の湖

角川文庫
地獄の湖

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  • サイズ 文庫判/ページ数 293p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042541103
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

信じられない幸運だった。サッカーくじで10万4千ポンドが当たったのだ。マーティンは自分の人生設計も含めて、ある計画にとりかかった。だがフランチェスカの出現がすべてを狂わせた。菊の花束を持って、戸口に立っていた少年のような娘…それがフランチェスカだった。決して正体を明かさない謎めいた女、彼女との出会いこそが、仕組まれざる惨劇への序曲だったのだが―。ミステリ界の新女王、レンデルが放つ円熟の力作。不可思議な死の糸に操られる男と女。戦慄のサスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

125
この何とも云えない気持ち、読後感。彼女の物語を読むといつもそんな気持ちにさせられる。さてこの思いをどうやって言葉に綴ろうかと。それはロジックの美しさに感動する類ではなく、運命の皮肉がカッチリ嵌り過ぎて怖くなる物語としての美しさだ。寒気が背中に走るほどの。最後の最後の最後までレンデルの残酷劇場は止まらない。こんな物語を読まされた後では、もはやありきたりな運命の皮肉という言葉ばかりが浮かんでしまう。しかし私が今抱いているのはそんな5文字には収まらない何とも云えない感情だ。年を取るとレンデル作品はかなり面白い。2020/05/17

hit4papa

56
ノンシリーズの心理サスペンス。金のために殺人を犯したのフィン。宝くじで大金を手にしたマーティン。この二人の男の日々が交互につづられます。生真面目なマーティンは、ある日、美しい人妻と出会い、心を奪われていく…。マーティンという実直な男の奥底に秘めた感情(!)が明らかになる過程が面白い。人妻との秘事は、実は…というのは予想ができます。彼女の正体を知った時の、マーティンの行動は想像を絶するのですが。フィンとどう運命が交錯するのかがさっぱり分からず、クライマックスの思わぬ展開に著者の巧さを思い知ることなります。2023/05/24

Ayah Book

20
うーん、これは良かった。ナチュラルに気が狂っている。フィン親子の静かに狂っている感じが凄まじい。子供の頃ポルターガイストを起こせたってどういうこと?そういうのがサラッと書いてある驚き。解説にあったレンデルさんの言葉「私が作品に登場させる人物は、憎むべき人物、情緒不安定な人物、だがどこかに哀れさを、同情の余地をとどめている人物。とことん憎悪すべき人物は書きたくない。〈単純な悪〉は嫌い。〈悪〉というのは全く無意味な言葉だ」。そういう人物に共感してしまう恐怖。。。2023/01/10

bapaksejahtera

14
中流上層の家庭に育ち、父の会社に会計士として勤めるマーティンは、友人の薦めたサッカー籤が当って大金を手にする。彼は友人への籤の礼を気に掛けつつも、その多くを神の手の如く、困った人間に与えようと図る。彼はある時美しい花屋の店員に心を奪われ、亭主持ちと告白する彼女との未来の生活に賞金を使おうと考える。他方副主人公はカルトに狂った母に育てられた殺人鬼フィン。マーティンはフィンの母に籤の金を分け与えようとするが、フィンはこれを勘違いして..。亭主持ち美人とその影にいる友人の犯意がピンとこないが緊迫感溢れる作品だ。2025/03/28

真朱

3
高校生の時、夢中になって読み狂ったレンデルの、初めの一冊 腐女子的に、最高傑作でした。。(笑)

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