角川文庫<br> 乙女の悲劇

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角川文庫
乙女の悲劇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042541042
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

56
ウェクスフォード警部シリーズ⑩。田舎町で発見された五十代女性の刺殺死体。早々に身元は判明するものの、犯人の手掛かりとなる被害者が何処で暮らし、何をしていたのかが一向に分からず、四苦八苦する警部らの捜査の過程が描かれます。感に頼って失敗したり、娘の離婚問題に悩まされるなど人間味溢るる本作品。お馴染みの上司、部下、家族らのキャラと役割が固まって、シリーズを読み通すと思い入れが大きくなります。本作品は、どんでん返しの結末は予想がつくきますが、伏線回収が面白いですね。女性の自立という世相を反映しています。2022/04/26

bapaksejahtera

14
多作なレンデルのウェクスフォード警部シリーズ10作目。邦訳の順ではかなり古い作品。1978年とて、時代を映して当時のウーマンリブの風潮を色濃く描かれる。主人公警部の早々結婚した長女が家庭における妻の従属的立場と女性の自立の問題に青臭く悩み、二児を生し乍ら夫に向けて不満をぶつける場面が長い。そんな時、管内で殺人事件が出来する。被害者は大柄で不器量な「おとこ女」。彼女はロンドン近郊の田舎を離れてロンドンに出るが、出自を巧妙に隠していた。その身分詐称の意外さがプロットであるが、やや嘘臭く冗長なのが玉に瑕だった。2025/02/04

Gen Kato

4
日本語タイトル、いろんな意味が含まれていてウマいと思います。犯人より被害者像が強烈に残る一作。女が女として生きることの難しさ。イギリスでは状況は改善されたんだろうか。(我が国はいまだに古い意識でとどまっている部分が多いけれど)2015/10/01

madhatter

4
再読。事件の真相自体は拍子抜けするほど単純。手掛かりを素直に捉えれば、簡単に犯人を指摘できる。しかし、真相を取り巻く物語は複雑。言っても詮無いことだが、被害者がもう一歩踏み込んでいれば、もしくは、犯人が刺す前に少しだけ考えていれば良かった。そうすることで、この紛れもない悲劇を避けるばかりでなく、特殊ではあっても幸せになれたのではないかと思ってしまう。少なくとも、世間の残酷さを二人で回避することはできただろう。個人的な感想だが、どこかに希望の可能性も感じられる分、余計に切ない作品。2011/02/25

百石

4
ウェクスフォード警部シリーズ。あまり警察小説みたいなのは読まないのですが、抵抗なく読むことができました。文中に出てくる「ウーマン・リブ」に、思わず時代を感じてしまったり、それが思わぬところに結びついたりと妙味でした。難航する捜査の過程が興味深かったです。サスペンス性と謎解き度のバランスが良いのではないでしょうか。今でこそあの謎に対しての答えは使い古されていますが、うまく事件と結びついていて、ラストが何ともいえない気持ちになってしまいます。2011/01/30

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