内容説明
エドモンドはかつての戦友の上院議員を通じてCIAにも問い合わせるが、犯人の所在は入念に秘匿されていた。青年虐殺の容疑で行方を追われるこの男こそ、ビン・ラディン逮捕計画のキーマンなのだ。その時がくるまで、必ず安全に泳がせ続けねばならない…。そして、アヴェンジャーとCIA捜査官の命運は、男が隠棲する南米の地で、遂にクロスする―。戦争に彩られた半世紀を描ききった、軍事スリラーの傑作。
著者等紹介
フォーサイス,フレデリック[フォーサイス,フレデリック][Forsyth,Frederick]
1938年、英ケント州生まれ。空軍のパイロットなどを経て、ロイター通信、BBC放送の記者を務めた後、作家に。1971年ドゴール暗殺をテーマに書いた長編『ジャッカルの日』で小説家としてデビューして以来、綿密な取材力とストーリーテリングの天賦の才で世界を沸かせ続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ntahima
33
私の初フォーサイスはド・ゴール大統領暗殺未遂事件がテーマの『ジャッカルの日』だった。恐らく10代の終り。当時、複雑に絡み合った国際情勢を背景にスケールの大きい謀略小説をものに出来る書き手は国内にはいなかった。日本冒険小説協会の設立は数年後のこと。冷戦の終結と共に筆を折り8年の沈黙の後に書いたのが本作。学生時代を思い出しながら懐かしく読んだ。しかしやはり往年のパワーは感じられない。最後の見せ場もかなりご都合主義的展開...但、ひとつの善が大きな悪を招くという皮肉な結末に往年の切れを僅かながら感じさせられた。2013/09/05
AICHAN
28
図書館本。青年の命を奪った犯人の素性が“アヴンジャー”とFBIの手で明かされていく。ところがその犯人とCIAが接触していたことをFBI は知る。“犯人”は旧ソ連崩壊のどさくさで持ちだした核燃料をアルカイダへ横流ししようと企む。CIAはビン・ラディン暗殺のため“犯人”をオトリに使おうとしていた。“アヴンジャー”とFBIにとって、“犯人”だけでなくCIAもが敵になる。CIAは世界の正義のためとばかりに“犯人”側に加担する。一連のこの“事件”はアルカイダをテロに向かわせる契機となる…。ややこしい話だがあり得る。2016/07/07
きょちょ
26
めっちゃおもろいわ~。 「ジャッカルの日」一番だけど、「オデッサファイル」も、この作品もええわ~(久々関西弁のベタほめ)。 「アヴェンジャー」(復讐者)である彼は、ターゲットをどうやって捕獲できるのか? これだけの要塞で本当にどうやって? ウサマ・ビン・ラディンを暗殺しようとするCIAは、このターゲットがCIAにとって大事な人物なので、邪魔をしてくる。 ちょっと気になってた人が、最後やっぱり、というのも驚きとともに爽快感! 「アナグマ」と「ネズミ」かっこええわ~。 映画化されたのかしらん? ★★★★★ 2017/06/09
バ度ホワイト
15
物語が動き始めのだが、展開が遅い。丁寧に描写されてるというか、回りくどいというか。そして、訳のせいなのかスーッと頭に入ってこないぞ。上巻の伏線回収とマンハントのワクワク感はありますが。2019/11/08
Makoto Yamamoto
12
さもありなんと思わせるストーリーで進む。 ボランティア先のボスニアで孫を殺され、犯人を米国の裁判にかけようと、捕捉を依頼される。 ベトナム戦争等で培った技量をベースに犯人を追う。 FBI、CIAも登場、米国同時多発テロ事件の首謀者ビン・ラディンまでもかかってくる。 並行して読んでいる「欧州開戦」と似たようシーンもあり、こんがらがりそう。。。 しかし、今回も大いに楽しめた 2018/07/11