内容説明
1995年。ボスニアで一人のアメリカ人青年が消息を絶ったことが、全ての始まりだった…。2001年。ベトナム帰還兵のデクスターは、退役後、弁護士をしながら、“アヴェンジャー”というコードネームで「人狩り」の仕事を請け負っていた。今回の依頼は、ボスニアで孫を殺害した犯人を捜してほしい、という財界の大物エドモンドからのもの。そしてこの依頼こそが、世界を“9.11”へ向かわせる引き金だった…。
著者等紹介
フォーサイス,フレデリック[フォーサイス,フレデリック][Forsyth,Frederick]
1938年、英ケント州生まれ。空軍のパイロットなどを経て、ロイター通信、BBC放送の記者を務めた後、作家に。1971年ドゴール暗殺をテーマに書いた長編『ジャッカルの日』で小説家としてデビューして以来、綿密な取材力とストーリーテリングの天賦の才で世界を沸かせ続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
27
図書館本。1995年、アメリカ人の青年がボスニアで消息を絶った。青年の祖父はアメリカで成功した鉱山王だった。鉱山王は“追跡屋”に孫の捜索を頼む。殺害されたことを知ると“アヴェンジャー”というコードネームを持つ「人狩り」に犯人捜しを依頼する。“アヴェンジャー”はベトナムで多くの勲章をものにした帰還兵だった。この依頼が2001年の「9.11」へ向かわせる引き金になる…。フィクションとはとても思えない緻密なストーリー。フォーサイスの筆にかかると「こういうことがあったのかも」と思わせられてしまう。本当の話?2016/07/05
きょちょ
25
題名の「アヴェンジャー」は、「復讐者」とか「報復者」と訳されるらしい。 出だししばらくは、登場人物たちのご紹介といった内容だが、全く退屈しない。 私が、F・フォーサイスを信頼しているからかもしれないが、どうなっていくのか、ワクワクである。 そしてだんだん登場人物たちがつながってくる。 史実を絡ませてくるところは実に彼らしいし、ベトナムの話は驚き。 下巻は一気読みか! でも明日ほとんど読書の時間がない(泣)。 彼の本は全部読むことを、この上巻で決めました。 ちなみにこの作品は彼の後年の作品らしい。 ★★★★2017/06/05
バ度ホワイト
16
主人公がコードネーム アヴェンジャーになるまでの物語と、アメリカ人青年の失踪事件が交互に描かれる。冒険小説ではおなじみ、完璧なスキルと戦闘能力をもつ主人公にわくわくする。ご都合主義バンザイ。2019/11/04
智哉
11
過去と現在、様々な人種が複雑に交錯して骨が折れた。トンネルのネズミは生き長らえたことが奇跡のよう。ベトナム戦争のインパクトが大きすぎて、リッキーの悲劇もアマンダの復讐もどこかあっさり見えてしまう。下巻はいよいよアヴェンジャーが暗躍してくれるか。2020/04/11
Makoto Yamamoto
11
フォーサイスには長年魅了されてきた。「アウトサイダー」で自叙伝を読んでさらに読みたくなった。 いつもながら、史実と隠れた事実?を絡み合わせての物語の展開は面白い。 上巻は背景説明が主ではあったが、退屈せずに読み終えた。 ボスニアで始まり、ベトナム戦争時代まで幅を広げ、戦友つながりにCIA、FBIも絡む2018/07/09