角川文庫<br> 騙し屋

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角川文庫
騙し屋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 258p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784042537137
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

騙し屋とよばれるサム・マクレディは、イギリス秘密情報機関SISのベテラン・エージェント。切れ者で世界各地で敵を欺き、多くの成果をあげてきた。しかし、冷戦は終結し、共産主義は崩壊した。世界情勢は急転したのだ。それは、スパイたちに過酷な運命を強いることになった。マクレディは引退を勧告された。SISの人員整理構想のスケープゴートにされたのだ。マクレディは現役に留まるため、聴聞会の開催を要請した…。世界のフォーサイスが贈る、スパイたちへの鎮魂歌。“最後のスパイ小説”四部作第一弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

71
時は旧ソ連にゴルバチョフが登場し、ペレストロイカへと向かう大きな分岐点。従来のスパイ小説も時代の趨勢に流され、時代に取り残され、時代の遺物にならない為の転換を求められた時代。作品を純粋に評価出来得るのはソ連が解体した現代であればこそかも知れない。スリリングでヒリヒリする感覚は、尖端が尖った細い針で終始チクチクと突き刺されているようだ。冷厳な組織の対極にある主人公の温情。そのぬくもりの深さゆえに、守り切れなかった部下への哀惜が際立ち涙を誘う。このページ数で登場人物の人間性を端的に見せてくれるその筆力は見事。2023/09/26

ヴェルナーの日記

55
マクレディ・シリーズの第1作目“THE DECEIVER”『騙し屋』。作品は東西冷戦が終了しイギリスの諜報活動も変化する。冷戦時代、第1戦で活躍してきたマクレディの処遇について上層部からの審問を受けることに。そこで彼の今までの活躍を回想するというスタイルで物語が進む。本書の副題は“Pride and Extreme Prejudice”直訳すると『誇りと最大の偏見』になってしまうが“Extreme Prejudice”は、俗語で『人殺し』とか、『暗殺』という意味をもつ。よって『暗殺者の誇り』とすべきか?2015/04/21

ひねもすのたり

12
1989年11月ベルリンの壁崩壊・・大ニュースでしたが、同時にデューク東郷の失業を危惧した『ゴルゴ13』の熱心な読者は私だけではないはずです。 冷戦構造の上に成立していた国際謀略モノ。いわゆるスパイを主人公とした映画や小説は大きな変革を求められました。当時その中心にいたフォーサイスも例外ではなく、最後のスパイ小説として手掛けたのが本作をはじめとしたマクレディシリーズ。 KGBやら東独の秘密警察とか命がけ国境超などがとにかく懐かしく面白い。 光学大手のカール・ツァイス。冷戦中は東独だったんですね・・★4 2020/06/14

J・P・フリーマン

11
冷戦が終わり、スパイの人員削減が始まった。早期退職の流れを作るべく、スケープゴートにされたのが"騙し屋"の通称を持つマクレディ。まだ現職でいたいマクレディは聴聞会を開いて異議申し立てをすることに。そこで明かされるマクレディの功績を綴ったシリーズ。第一弾はロシアの極秘資料の受け渡しのために、東ドイツに送り込んだ仲間の窮地を救う。持ち前の機知と行動力を駆使して、東ドイツから忽然と姿を消した仲間の行方を追うマクレディ。実際に諜報員の経歴があるフォーサイスが、スパイの世界を丁寧に描き出します。2020/06/14

bapaksejahtera

6
これまでフォーサイスは間歇的に数編を読んだが、読メ参入を機会に暫く読み込んでみようと思う。著者自身が英国秘密情報部に席をおいたらしい。似たような分野を描くフリーマントルと異なり、却って東西スパイ物は少なかったようだ。英国政府との軋轢はあったと言うが、その点は仁義を守ったように思える。本作は英国スパイであるマクレディーの4作シリーズの発端で、冷戦の集結でKGBや東欧対応部署の人員が整理される環境で、かつての工作活動に実績を上げた主人公の活躍を振り返るスタイルを取っている。短いが手に汗握るシーンに満ちている。2021/04/04

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