内容説明
精神病院を退院したばかりの妻がレイプされた。夫のハリーは犯人逮捕に執念を燃やすショー警部補に協力する。そんなハリーを嘲笑し、陥れようとするかのように、その身辺で続発するレイプ事件。心病める者の犯行か…。だが、ハリーも、かつての恋人との間に決して妻には知られてはならない秘密をつくろうとしていた―。二転三転する展開と濃密な心理描写。サイコ・スリラーの元祖、ニーリィの最高傑作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
65
最後の一文で読者に衝撃を与えるサイコ・スリラー。どろっとした人間関係、どんでん返しなど、ニーリィ節が炸裂する代表作です。主人公は、精神を病んだ妻を持つ作家。ある日、妻が自宅で何者かに性的暴行を受けてしまいます。どうやら主人公は恨みを買っているようです。おりしも連続暴行魔が街を騒がせていて…。主人公の学生時代を振り返りながら物語は進みます。冗長さを感じないのは、随所に衝撃的なシーンが見られるからでしょう。一見、関係がなさそうでも後から効いてきます。真相の後味の悪さはピカイチです。端的に言うと狂気の沙汰。2023/03/21
おぎにゃん
18
ラスト5行で明かされる真相には本当にびっくりした…同時に、主人公のハリーに対するイメージも一気に逆転。物語総てがひっくり返る快感に酔いしれた…同種のトリックを用いた作品は、幾つも読んでいるけれど、USAで1976年、日本語版が1980年に発表された作品であることを考えれば、まさしく草分け的作品…あれだけしつこく、ハリーの心理が書き込まれていたのに、伏線もあったのに、全く見抜けなかった…大傑作です。2014/05/21
おいなり
11
ハズレなしの帯につられて読みましたが、ハードル上がった割には驚かされました。「へ~、騙されたよ…」からの、最後の最後で「えっ!まだあるんかい!」な結末です。考えてみれば伏線もあるんだけど、気づかなかったな~。それにしても読むのに時間がかかりすぎました~(^_^;)苦手な翻訳もののうえ、古い訳だったので←言い訳2014/09/13
やっす
6
初ニーリイです。書評を見るとすごく評判が良く、傑作との声も多いのでかなり期待してました。結果は・・うーん・・。なんだかなぁという感じです。読み終わっても何かすっきりしない。もともとこの手の仕掛けの作品があまり好きじゃない事もありますが、絶賛されていたラストの衝撃も今一つピンとこなかった。期待しすぎたのもありますが、どうやら相性が合わなかった様です。残念。他の作品に手を伸ばすかは・・ちょっと微妙なところ。2015/10/19
guriko
5
著者の作品はこれで3冊目。どれも性犯罪の描写があり語り手が信用ならず、といういつものパターンでしょ、と思いながら読んでいたがラストの2行には驚愕。私が読んでいたのはミステリではなかったのだなぁと、気持ち悪さに耐えながら伏線を探して読み返すことに。2019/01/24