内容説明
ベトナム戦争帰りのヒッピー、ジョニーが向かったのは、憎悪してやまない父親の豪邸だった。一流の建築業者として成功した父親は、母の死後喪に服することもなく、若い美しいルシルを後妻に迎えていた。父親を騙し大金の奪取を謀るジョニー。ルシルを味方につけ、計画は成功するかに見えたが、事態は予想を超える展開で急変し、二人を呑み込んでいく―。息をつかせぬ巧みなプロットで欲望に溺れる男女を描き出す、怒涛のピカレスク小説。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
17
富豪の父親の若い後妻とねんごろになった男。男は父親と亡きものとして、金と女を手に入れようとたくらむが、というゲスなサスペンス。親子そろっての品性下劣さは、ホラーに域に達していると言ってよいでしょう。登場人物たちの心理の探り合いといったねちっこい描写はお上手です。騙しの職人ニーリィの作品ですが、どんでん返しは半回転ひねりぐらいで肩透かし気味か。残念ながら翻訳が古臭くて、父親殺しを企む主人公のやさぐれ感が苦笑いを誘います。「承知のすけ」ってのは如何なものか...。ニーリィお得意のサイコ度は低いんですね。2017/08/17
CHIEKO
2
セクストン。主人公の名前にまで意味を持たせるのはさすが!言葉の言い回しは確かに古いし、意味がちょっとわかりづらいところもある。でも出てくる人物が全員魅力的でぐんぐん読ませてくれる。2016/04/07
古家深一郎
2
直前に殺人症候群を読み、その贅肉のない展開に惚れたため、本作がちょっとクドく感じたのは残念でした。しかし、相も変らぬどんでん返しの展開や、ラストのひっくり返しは、さすがでした。ところで、原題の『セクストン家の女たち』というのも秀題と思いますが、この日本版オイディプスの報酬も中々にやりとさせてくれました。しかし、安いなー報酬。2010/09/11
wm_09
2
中盤からの妙な展開にはおっと思ったが、どんでん返しの手法は今となってはありきたり。転がしを止めない手つき自体には好感を覚えるにしろ、正直落ち着き所は見える。主人公のしゃべり方の軽薄さは良く出ていると思うが、微妙に言葉のセンスが古いのは気になった。(稲)2010/04/09
sarasara
2
原題にあるSextonは、主人公の苗字だけど、他にも意味がある。2010/03/19