内容説明
あっという間の10分だった。部屋に戻ると女は殺され、フットボール・スタジアムから強奪した金はスーツケースごと奪われていた。そしてパーカーを襲う凶弾―。犯人は?裏切り者は?強奪事件と女の殺害事件を捜査する警察に追われながらも、犯人を執拗に追うパーカーたちだが、犯人の追跡に目を奪われるうちに、7人にも最悪の危機が迫っていた!悪党パーカー・シリーズ第7作。
著者等紹介
スターク,リチャード[スターク,リチャード][Stark,Richard]
1933‐。ブルックリン生まれ。アメリカのミステリ作家の巨匠、ドナルド・E・ウエストレイクの別名。1993年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)の巨匠賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
120
6人の仲間と組んだ強奪計画が成功を収めて3日後、潜伏中の隠れ家から煙草を買いに出たパーカー。わずか10分の出来事だった。同居していた女は殺され金を入れたスーツケースは跡形もなく消えていた。しかも誰かからの通報で部屋に警官が訪ねてきた。腕づくで部屋を出たパーカーをさらに銃弾が襲う。仲間の裏切りか、何者かの復讐か。小さな街で警察の追及を躱しながら金の行方を追うパーカーと仲間たち。しかし金を奪った何者かは、逆に仲間たちに魔手を伸ばしてきた……。人物に共感するのは困難だけに、このシリーズの生命線は疾走感だろう。2016/07/09
詩歌
20
悪党と銘打たれたシリーズの七作目、復刊とある。「悪党」という魅力的な響きに釣られた。導入は映画そのもの、殺人者の回想は、身勝手でステレオタイプの犯人像そのまま。語り手がフラッシュカードのように入れ替わり、物語は速度を増す。最後に生き残っていたら僥倖、の疾走感。2015/07/11
くさてる
18
悪党パーカーシリーズ。今回はまさかの窮地に追い込まれたパーカーが、相変わらずの人でなしぶりと冷静さで、どうやってここから逆転するのかなという興味をぐいぐい引っ張ってくれました。肝心の真相は、そんなもの?みたいな感じだったけど、なんといってもラストでしょう。このラストのカッコよさにとことんしびれました。2020/06/06
bapaksejahtera
14
悪党パーカーシリーズ第7作。幸い第一作である「人狩り」は既読であったが、パーカーは第一作から4年経過して少し落ち着いてきている。但し今回は失敗編。7人チームでフットボールのオープン戦の売上をせしめたものの、その金を隠れ家から奪われてしまい、パーカーが大胆にも警官と接触して情報を得ようとした結果、手酷い事態となる。後に出た作品の評判で急遽遡って翻訳出版された本。解説でシリーズどこから読んでも良いと書いてくれている。これに従おう。直前読んだ「我輩はカモである」と同じ年に出版された作品だが、私の好みはこちらだ。2021/07/02
ワッピー
11
無事(?)大学フットボール対抗試合の売り上げを強奪できたパーカー。隠れ家を10分ほど空けた間に、ガールフレンドは殺され、金は奪われていた。仲間を疑ったパーカーに知らない男が声をかける・・・・今回の犯人(?)もよく考えて行動していれば無事に消えられたのになぁ。このシリーズはあまり読んでいませんが、武装強盗を得意とするパーカーが綿密な計画を立てながら、蟻の一穴からぼろぼろと崩れていく引き算的ストーリー展開が意外に楽しめました。2015/12/20