内容説明
美しい緑の羅紗を貼ったビリヤード・テーブルは、男たちの戦場だった、ハスラーと呼ばれる男たちの。今、ファースト・エディはその戦場に帰ろうとしていた。ビリヤード界の巨人、ミネソタ・ファッツと死闘を演じ、輝かしい勝利を得たあの日から20年、すでにエディも50の坂を越えていた。経営していた撞球店は人手に渡り、妻は彼の許を去ろうとしている。エディには球を撞くことしかなかった…。だが復帰したエディは、20年のブランクを思い知らされた。腕は落ち、ゲームそのものも変っていた。そしてそこには、今をときめく若きハスラーたちが輩出していたのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenpapa
3
再読。大好きな映画「ハスラー」の雰囲気を期待すると物足りない。でも歳をとったミネソタ・ファッツは粋でカッコいい。登場は作品の半分程だが、主人公のファースト・エディよりも存在感がある。2020/09/21
すけきよ
1
トム・クルーズがいつ出てくるのか、いつ……最後まで出てきませんでした。ファッツが影の主人公。70過ぎても、クールでパワフルで知的なエディの師匠とも言える存在が、ひじょうにカッコイイ。一方のエディはある意味、年相応。若かった頃に比べ、けっこう安穏を受け入れちゃってる。全盛期を過ぎた彼と反比例するかのように、ナインボールは力強さが必要なゲームで、それを自分のものにしていくと共に、再びハスラーの魂を取り戻していく。それでも、20代のハングリーさはなく、なんというか、エディも大人になっちゃったな、という感じ(笑)2008/01/17
pushman
0
物語としては期待した程ではなく、ハスラー(映画版)>ハスラー(原作)>ハスラー2(原作)>ハスラー2(映画)という感じです。それでも、ビリヤードが好きな人なら、エディがブッチブチになってる描写や、タップ交換、ラシャの張り替えなど楽しめる描写がたくさんあります。ちなみにエディのタップはエルクマスターです。ブレイクエースが多過ぎるのが気になりますが、木枠ラック時代はそういうもんだったんでしょうね。2011/08/11
co_taro
0
若き日のポール・ニューマンの出世作「ハスラー」初映から半世紀、昨年(2007年)突然文庫化され「このミス」で上位入りがちょっとした話題に。そんな小説版の続編は意外なことにすでに既訳でニューマン企画トム・クルーズ出演の映画版「ハスラー2」の上映に合わせて角川文庫より出版されていた!映画版2と小説版続編は、まったくの別物。トム・クルーズの人気に当て込んだ映画はある意味ニューマン復活の為のストーリだったのに対し原作版はまさしく前作の設定をそのまんま引きずった正調なるエディとミネソタ・ファッツのその後の物語です 2008/08/15