内容説明
誰しもみんな、おとなになる。たった一人をのぞいては―永遠の子ども、ピーター・パンにさそわれて、ウェンディと兄弟はネバーランドへと飛び立った。妖精や人魚やインディアン、そして海賊が住む楽園で、子どもたちは本当の両親のことも忘れかけてきて…。そんな時、ピーターを恨む恐ろしい海賊フックにウェンディたちがさらわれてしまう。ピーターVSフック、海賊VS子どもたちの決闘が始まった!すべての子どもに夢と希望を与えつづける、名作ファンタジー。
著者等紹介
バリ,ジェイムズ・M.[バリ,ジェイムズM.][Barrie,James Matthew]
1860年、スコットランドに機織職人の子として生まれる。エディンバラ大学卒業後、「ノッティンガム・ジャーナル」誌の編集部で時事評論や文芸評論を執筆。1902年に、ピーター・パンが初めて登場する作品『小さな白い鳥』を発表したが、その前後から劇作にも手を染め、『お屋敷町』『あっぱれクライトン』『ピーター・パン』などの傑作を残す。晩年、母校エディンバラ大学の学長を務め、1937年にロンドンで死去
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感想・レビュー
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スイ
7
「ピーター・パンとウェンディ」の方。 以前読んだ時は、ディズニーと全く違うフック船長にすっかり魅了されたが、今回読み直すと「母の哀しみ」という印象が強い。 子を持つ母だけでなく、望んだけれど得られなかった、失ってしまった、それに将来子を産むことが社会的に定められているといった潜在的な母も含めて。 文章の美しさ、物語の不穏で不健全な面白さは何度読んでも心を捉える。 しかしそれだけに留まらず、本を閉じた後でも様々なことを考え続けずにはいられない厚みを持った作品。2018/03/18
ぷっこ
5
ピーター・パンはディズニーが一番、そう思ってた時が私にもありました。…大人になると夢よりも、ピーターの子供独特の残酷さとか、海賊の恐さとか、フックの孤独さとか、そういうのに徐々に惹かれてくもんなんですかね。 語り手バリの暖かい視線と発想がとてもよかった。フックの学生時代の描写と葛藤に涙が出た。 これ読んだあとで実写版のDVD(主人公二人が微妙にエロい)観てまたも号泣してしまった。2011/07/15
あおさわ
4
読んで思ったこと。こんな悪ガキだったっけ。少年特有の気まぐれと残酷さ、また優しさにウエンディと一緒に一喜一憂。 大人になりたくなくて来たはずなのにお母さんの役をするウエンディ。それを嬉々として立派に務めあげます。やっぱり女の子のほうが成長早いんですね。母性本能がある分心から大人になっていくw少年たちの少年でありたい思い。でも、その時間は本当に短い。ピーター・パンは永遠の少年だけど、どこにもいかないで一人置いて行かれた存在なのかもと思います。 2014/06/15
shredpod
4
子供の好奇心には感心させられるけど、ときには残酷なほど簡単に切り捨てられるんだって再認識した。この歳で「大人になりたくない」といえば現実逃避になるので、建設的に好奇心を探求していきたい。2010/01/18
秋庭誠
3
E+ 言わずと知れた名作。実のところ言うと、映画もアニメも見たことがなかったので、頭の中で作品を補完することができた。しかし読みにくい印象を受けた。翻訳作品は苦手だ。子供の残酷さは表れていたとは思うんだけどなぁ。2012/03/15