感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
29
79年(昭和54年)の340円の文庫初版。ビアスの表題作を含む16編の怪奇譚を収録で、各話の扉に挿絵がある。うち「幽霊屋敷さまざま」と「行方不明の謎」は前者が7話、後者が3話の掌編から成っている。掌編は尻切れトンボが多く、いかにも実録っぽさを醸している(ビアスの創作なのか判断に迷うレベル)。底本は2冊で、岩波の「いのちの半ばに」から1編だけ抽出した「アウル・クリーク鉄橋の出来事」は、死の瞬間のパノラマ視現象ならぬ現実逃避幻覚で、当人も衆人も気付かないけど、ある意味奇跡なのだろう。死の真実かも。★★★★☆☆2022/08/24
アーチャー
19
作品の出来の好みは分かれてしまうが、なかでも「アウル・クリークの鉄橋での出来事」は映画化作品「ふくろうの河」を観ていただけに、、原作と映画の面白さを比較しながら読めました。原作を忠実に、そしてある意味原作以上の「ふくろうの河」未見の方は是非・・・って、本の感想になってないな~(笑)2015/03/01
mizuha
15
皮肉を効かせた文章や風刺を含んだ背景。「悪魔の辞典」を彷彿とさせる手法で綴られた幽霊譚は、オーソドックスだからこそ馴染み深い恐怖をもたらし、まるで足の”ない”幽霊が歩き回っているようだ。そうしてビアスは、その根源は全て生きている人間の側にある事を知らしめる。ビアス本人の謎多き最期と相まって、恐怖は更に募っていく、かも……。2014/08/13
H2A
13
土浦の古書店で買ったきり積読状態。ビアスの怪奇小説を集めたもの。当然なのだが、同じようなホラートーンの小品が並んでいてつまらないわけでもないが、同工異曲過ぎて途中で飽きてくる。作者独自のテイストもあるのでそれが救いかもしれない。1冊読んでみてそれほどおもしろいとは思えなかった。2019/03/21
本の虫・・・になりたい
3
中でも「壁の向こう」が飛び抜けて怖いお話です。 「コンコン」「入ってます」・・・ちょっと違いますが(笑) (追記) 再読したら「アウル・クリーク鉄橋での出来事」が面白かったです。 自分でも知らない間に死んでいた・・・ 最後に家族との対面を果たすところは何か怖すぎです。 2011/02/03
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- 和書
- 和辻哲郎随筆集 岩波文庫