内容説明
どう言ったらいいのだろう、25の若さで死んでしまった女のことを。彼女が愛していたもの、それはモーツァルトとバッハ、そしてビートルズ。それにぼく。…だが彼女は逝ってしまった。「愛とは決して後悔しないこと」という言葉を遺して―。どうすることもできない青春の愛と死。せつなさとユーモア溢れる数々の名台詞で若者の共感を呼び、映画化とともに世界的ベストセラーとなった、伝説の純愛小説。新装版にて復活。
著者等紹介
シーガル,エリック[シーガル,エリック][Segal,Erich]
1937年ニューヨーク生まれ。ハーバード大学卒。33歳の若さでイェール大学の教授となる。ギリシア・ラテン文学の学術研究書を数冊出版。また音楽家、脚本家としても活動し、ビートルズの「イエロー・サブマリン」や、「栄光への賭け」のシナリオを執筆。『ラブ・ストーリー―ある愛の詩』は出版されるやいなや、「1970年代の最も重要な新人作家」であると迎えられ、全米・全欧でベストセラーを記録、世界20ヶ国以上で翻訳される。また本人の脚本により、映画化され、世界中の若者たちを虜にした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
316
1970年の作品。当時は空前のベストセラーとなり、映画も大ヒットした。今思えば、実に隔世の感がある。その頃の若者たちは「愛とは後悔しないこと」(Love means never having to say you're sorry)の台詞に強くうたれた(当時の言い方だと「シビレタ」?)のだろうか。あらゆるものを持って生まれたオリヴァー。そして、あまり豊かではない父子家庭に育った(でもラドクリフだ)ジェニー。このシンデレラ・ストーリー自体が往年の少女漫画のようだし、その後の展開はさらに一層この感を強くする。2017/02/15
遥かなる想い
202
著名な映画の原作を 時間を置いて、 落ち着いて読むと、 映像ではわからなかった機微が見えてくるようで、 面白い。オリバーとジェニーの 交わす会話はひどく青春的で初々しい。 図書館での出会いから、学生結婚、そして 白血病…想い出の数々の映像シーンとともに、純粋で清らかな青春小説の 王道の作品であることを再確認できる本だった。2018/04/10
新地学@児童書病発動中
136
胸の奥がじーんと震える切ない恋愛小説。やや翻訳が古めかしいのは残念だが、物語の良さは十分に伝わってくる。主人公のオリバーとジェニーの恋愛は、読者の胸に清冽な感動をもたらす。裕福なオリバーと貧しいジェニーの対照が、この物語に奥行きを与えている気がした。苦労人のジェニーの父親が魅力的で、オリバーと初めて会う場面は印象に残った。結末はあまりに悲しすぎると思う。ただし、オリバーと父親の和解には救いを感じた。ジェニーが口にする「愛とは決して後悔しないこと」という言葉は、この物語の中で一番輝いている。2016/03/15
ケイ
132
再読。学生の頃は感動したと思うのだけど…。日本語訳もあるのかな、ジェニーは魅力的だけど、語り手のオリバー・バレットの魅力が全くよくわからなかった。映画のためのシナリオなのならわかる気もする。ハンサムで生意気なお坊ちゃん青年と、美しくて気が強くて頭が良くて純情な、家柄の釣り合わない女の子との恋は、想像しやすい。2017/03/06
セウテス
70
〔再読〕若くして知り合う二人が、愛し合い苦労を共にし、やがて安定した生活を迎えようという時に悲劇が起きてしまう。初読みの時は、青春純愛物語の定番の形と思っていたのだが、何も物語だけの特別な話ではなく、私達には当たり前にある可能性であると気づかされた。現実を前にして、本作は私に力を与えてくれたと思う。映画とほぼ同時に読んだ作品であるが、私は映画から受ける感動の方が大きかった。読んでいると頭の中に、あの音楽が流れる。「愛とは決して後悔しない事」とは本作の有名な言葉であるが、映画から受けた印象はもう少し違う。2018/06/12