角川文庫
オリバー・ツイスト〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 372p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784042110170
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

これぞ、少年文学の原点。少年の素朴な心に涙と感動が押し寄せる名作巨編。手に入れた幸せもつかの間、凶悪な盗賊団のもとにひきもどされたオリバー。次々と課せられる苦難、そして大切な人の死――19世紀のイギリス社会の暗部が、少年の良心を通して鋭く風刺された物語、感動の結末編。

チャールズ・ディケンズ[チャールズディケンズ]
著・文・その他

ディケンズ[ディケンズ]
著・文・その他

北川 悌二[キタガワ テイジ]
翻訳

内容説明

親切な老紳士の家に引き取られたのも束の間、まんまと盗賊に連れ戻されてしまうオリバー。脅迫と監禁の末、泥棒仕事にかり出されたが、銃弾を受け重傷のまま夜道に捨てられてしまう。そんな彼が助けられたのは、まさに泥棒に入った家だった。凶悪な盗賊仲間の追跡に怯えながら、オリバーは新しい生活を始める。未来が少しずつ光を浴び始めた矢先、最後の大きな試練が彼を待ち構えていた―。人間の過酷な運命と変わらぬ良心を描いた、感動の傑作長篇。

著者等紹介

ディケンズ,チャールズ[ディケンズ,チャールズ][Dickens,Charles]
1812‐1870。イギリス、ポーツマス生まれ。イギリス文学史上とくに人気の高い小説家の一人。その膨大な作品の中には、ユーモア、ペーソス、アイロニーのきいた、鋭い観察に基づいた社会批判が込められている

北川悌二[キタガワテイジ]
1914‐1984。東京生まれ。東大英文科卒。旧制松本高校教員、東京大学、立正大学教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Willie the Wildcat

32
織り成す様々な人間模様。貧富の差とは無縁の心。特に、ナンシーが印象深い。正に、心の葛藤。これまでに触れた様々な優しさの違いに対して、それぞれに込めた想い。巻末の解説を読み、執筆当時の社会問題を痛感。バンブル氏の人生が、時代の象徴だったのかもしれない。社会風刺と問題提起。盗賊1人1人の丁寧な描写に、著者の意図を垣間見た気がする。2014/07/01

syota

26
オリバーの秘められた素性が次第に明らかに。オリバー本人よりも、彼を取り巻く善悪双方の人たちがストーリーを引っ張っていく。特に犯罪者側のフェイギン、サイクスの悪漢なりの人間臭さと孤独や、ナンシーの女心の機微を描く筆致は見事で、聖人のような善人側の人々よりよほど魅力的。上巻で見られた最下層の人々への作者の肩入れが、ここにも感じられる。同じ悪役でも、資産家出身のモンクスに対する突き放した描き方とは好対照。息をもつかせぬ波乱の連続で、社会小説である前に上質の娯楽小説、といったら失礼だろうか。[G1000]2015/10/20

那由多

18
予想以上に人が死に、オリバーの不幸からの脱却は幸運の連続で本来の姿に帰れた。ナンシーとディックとワンコの結末には、ディケンズの容赦なさが出てる。オリバーの登場は少ないが、周辺の人々を描くことで多方面から階層社会を覗け、ラストへ向けて右肩上がりに盛り上がりを見せた。2021/08/01

更夜

17
解説を読んで、イギリスの19世紀後半の貧民救済法を世に問う物語だったと知って、納得。今から読むと勧善懲悪的な説教臭さがあるかもしれませんが、「今、ここ、私」を基準に読んでしまうと古典は読めないという事を再確認しました。英ガーディアン紙必読小説1000冊。2016/06/15

ROOM 237

16
オリバー!下巻は登場シーンが殆どなくて寂しかったよオリバー!ディケさんご自身たったの12歳で独り暮らしで生計を立てていた事が色濃く反映された作品なんだな。読後の解説で辛い経験を振り返って作品を創り上げた時期と理由を知り、作中のオリバー同様になんと気高く行動的な作家だろうと感動…。悲惨で理不尽な目に遭っても最後まで己に厳しく芯のぶれない女性や、思い遣りで強く結びついた愛情深い人々には「頼むぞぅ…!」と読み進める一方で、汚れ切ったガメつい奴らにはいい死に方しねーぞと野次飛ばしながら読了。スリル満点でした!2023/01/01

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