角川文庫<br> ヴァレリー文学論 (改版6版)

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角川文庫
ヴァレリー文学論 (改版6版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 160p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784042038016
  • NDC分類 954
  • Cコード C0198

内容説明

マラルメに私淑したヴァレリーは1898年以来20年間、文学上の方法を探究すると称して文学と完全に絶縁状態を続けた。本書は文学的沈黙を守ったその思索の頂点であり、文学上の重要な根本意義を解き明かした。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

11
詩と言うのは、組み立ての難しさやしばりの多さから単純に思考して創るものだと思っていた。どうもそう簡単な話ではなさそうである。この大詩人の思考のひねくれさ加減は私好みで、つい頬が緩んでしまう。次の言葉などはロック・ミュージックの詩人、デヴィッド・ボウイが聞いたら、「僕はまさにそう思って書いているよ」と言いそうで可笑しい。曰く「慰み半分書いたものを、他人は注意深く熱心に読んでくれる。注意深く熱心に書いたものを、他人は慰み半分に読んでくれる」。ボウイは小説執筆を途中でやめている。堀口大學による訳も香気高く秀逸。2015/08/02

双海(ふたみ)

10
堀口大學訳。「別な文章で表現し得る目標を持つ文章が散文だ」2014/04/10

Z

6
ヴァレリーの文学に関するアフォリズム集。といっても詩人の考察なので詩がメイン。アフォリズムといったら私にとってはニーチェで詩に対する考察も20世紀の一証言といった感で本質的に刺さらなかったが、やはり詩人ならではの詩的な表現は魅力的。全体的な傾向は、芸術には新しさや、奇抜さ、前衛などは本質的ではありませんよ、方法論が発想を束縛しないのが真の芸術家、といった芸術観が読み取れる。が、似たようなことは20世紀のイギリス詩人がとりわけオーデンやエリオットがより知的にも詩的にも優れたかたちで語っているとおもう。2017/03/05

渡邊利道

2
本棚で見つけてふらふらと再読。ヴァレリイの文章は明晰すぎてあまり本を手元に置く必要がないという気になってしまうのだが、これはリバイバル復刊でまとめて入手したものだった。古典的であることとロマン的であることの差異というのが大きな問題だったのだなあとしみじみ思ったりもするが、文学にとって「新しさ」は古い欲求にこたえるところにあるとすれば、ヴァレリイは十分真新しいだろう。堀口大学の訳す詩がとてもよかったので、ちょっと探して読み直してみたくなった。2017/06/28

SY

2
箴言集には、単なるテクニックで書かれたものだ、という読後感しか得られないものも多い。そのテクニックとは既成の価値の「転倒」であったり「ディコンストラクション」という言葉で評価できてしまう類のものだ。しかし、本書の箴言を読むと、その言葉は安易な既成価値の転倒ではなく、天才的な感受性を持った著者が経験と熟考・深慮によって導き出したのだろうということが容易に推量される。それが本書の「価値」だ。2017/06/12

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