内容説明
冬。一人のニングルが雪山から下りてきた。名前はチュチュ。チュチュはそこで初めて地面に輝く人間界の街の灯を目にして驚嘆する。“あの星が欲しい…”必死で星を手に入れようとするチュチュだが…。富良野の流れるような季節の移ろいを背景に、小さな人間たちが織りなす様々な出来事。森の生命と人間の失くしたものを密やかに熱く描く、フォトメルヘン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
135
北海道を愛する倉本聰氏と人形作家与勇輝氏のフォトメルヘン。平均寿命270年、体長15cm、森に棲む小さなニングルは新しい世界を見てしまう。…心の豊かさを忘れた人は、そこにニングルがいても見えないのである。大樹を切り倒し川をせき止め、人間は人間のことしか考えていない。存在はどこまでも大きくなり滅亡に向かう。「コンナコトスルナンテ知ラナカッタノヨ。ゴメンネ…」豊かさって何?森林のざわめき、瀧のあえぎ。主人公チュチュの見た星は消えたけど空を見上げてごらん。沢山の星が輝き続けている。星は遠くで見ている方が美しい✨2021/04/19
国士舘大学そっくりおじさん・寺
13
『北の国から』の倉本聡が考えたストーリーを、与勇輝の人形を使って作った写真絵本。妖精が主人公。文明批判に恋心を絡めた物語。いかにもな感じながら、ちょっとグッとくる感じ。2013/12/05
海(カイ)
8
ニングルの世界、とても好きです。与勇輝さんの人形がすっごくかわいい。2020/08/10
千木良
2
北海道の森に棲むといわれる小さな人間・ニングル。その男の子チュチュを主人公にした倉本聰さん書き下ろしの物語を、富良野を舞台に与勇輝さんの人形で表現し、宮沢嘉彦さんの写真で綴ったフォトストーリー。2016/10/22
lonely_jean
1
人形がこれほど表情をもつとは。魂の吹き込まれた顔だ。ダムの話が出た時点で悲劇を思わせたが、原発はあまりに危険、火力は温暖化、水力も生態系を破壊…どのようなエネルギーを使うのがベストなのだろう。人間は存在するだけで他の生物たちに多大な迷惑をかけているのだろうか。考え続けるべき重い問いだ。2022/06/18
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