角川文庫<br> 張学良の昭和史最後の証言

角川文庫
張学良の昭和史最後の証言

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041954027
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

内容説明

関東軍により爆殺された張作霖の長男、張学良。父を敬愛し、頭脳明晰であった彼はまた、プレイボーイと呼ばれ、西洋人と交流する一面も併せ持っていた。西安事件で蒋介石を監禁し国共合作を迫った張学良は、以来半世紀をこえる幽閉生活を送ってきた。そしてついに沈黙を破り、その数奇な生涯と日中に横たわる謎がときあかされた―。張作霖爆殺事件から西安事件までの日中秘話。

目次

第1章 張学良の登場
第2章 若きリーダー
第3章 満州事変と満州国建国
第4章 運命の西安事件
第5章 半世紀にわたる監禁生活

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

24
歴史の教科書に2003年まで存命していたと書いてあったが、西安事件以来記録も何もわからなかったので、不思議な感覚をもっていた。本書ではじめて、軍閥内での出世、ナショナリズムの目覚め、張作霖の暗殺から国民党政府への参画、東北開発と日本の満州事変、西欧外遊、国共内戦、西安事件、監禁、日中戦争、台湾での監禁生活と蒋介石との交流、キリスト教に帰依までの流れがわかって良かった。日本へは怨みあるものの、尊敬の気持ちももっていて、中国の誇る一大知識人という印象を受けた。2023/02/07

鈴木貴博

2
平成三年に張学良氏が西安事件から54年の沈黙を破ってNHKのインタビューに応じ、その放送は当時大変な話題となった。この本は、インタビューの内容を軸に、激動の歴史の中における張学良氏の半生を振り返っている。皇姑屯事件、易幟、満州事変、そして西安事件についての生の声を興味深く読むとともに、認識を修正した点もいくつか。特に西安事件においてはこの時点に至ってもまだ話せなかったことも多いようで、同氏の現代史に与えた影響の大きさを改めて思う。そしてあり得たかもしれない歴史の選択肢と日中関係の可能性にも思いを馳せる。2019/05/22

Fu

1
とても面白く勉強になった。張学良が、張伯苓が講演で「ひとりひとりが自ら強くし、自分がいる限り中国は亡びないぞ、と思う気概を持たなければならない。」と言った言葉に感動して国家と社会のために何かをやらなければならないと決心した、という記述に、その後の張学良がまさにその通り生きたのだと思った。 日本は張作霖爆殺事件をうやむやに処理し、第二、第三の謀略事件をたやすく起こさせるような土壌を生むとともに、張学良の心を完全に日本から離れさせた。張学良が、日本は恕(思いやり)が少ない、と言ったことに考えさせられます。2023/08/15

シエスタ@多摩

1
浅田次郎氏の「中原の虹」や「マンチュリアン・リポート」で興味をもった張作霖と張学良父子について、もっと知りたくなり読んでみた。 歴史の彼方にいるはずの人物が最近まで生きていたことにすこぶる感動した。結果的に長すぎる余生を過ごすことになった張学良氏。二つの祖国のその後を生で見てきてどんな心情だったのか。韜晦して生きることができたのだろうか。スケールが大きすぎて想像がつかない。2011/04/17

こめこめ

0
張学良の魅力が詰まった一冊。父、張作霖のもとで戦った青年期の清爽な情熱。父の死後、軍人として東北兵たちを背負う覚悟で歩みを進めていく。国を愛し、民を愛し自らの犠牲を厭わなかった学良の姿に胸を打たれる2013/11/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/79395
  • ご注意事項

最近チェックした商品