感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
201
第57回(1967年)直木賞。 広域暴力団浜内組を執拗に追いつめる 元警部志田司郎がクールな ハードボイルドである。 全編に貫く 感情を抑えた筆致が 心地よい。 暴力団と警察組織の攻防だが、 読んでいると ひどく懐かしく、登場する 女性たちも健気で 清々しい。 ニヒルで泥臭い 昭和のハードボイルドだった。2018/01/14
hit4papa
33
政財界へ大きな影響力をもつ広域暴力団。その組織壊滅を目指す元刑事が主役のハードボイルドです。捜査の過程で同僚を誤射し再起不能の状態にしてしまった主人公は、警察を辞職し、家族と別れて、ひとり巨悪に立ち向かうという展開です。よくある一匹狼のはぐれ刑事ものですが、半世紀近く前の作品なので、そこは大目にみるべきなんでしょう。あまりひねりがなく、前半のもったりした進みからラストにかけての展開は急すぎて、盛り上がりに乗り遅れてしまいました。主人公をとりまく周辺や、警察の捜査のあり方に現実感がなさすぎです。【直木賞】2018/09/20
Satoshi
10
生島治郎の和製冒険小説。無駄なシーンを取り除いている無駄の無い展開に興奮させられっぱなしの傑作だと思う。冒険小説は長くなりがちだが、本作の様に多くの登場人物を物語に絡めさせたうえに、きちんとラストで各プロットを回収することができる。結局は組織に生かされる警察の悲哀を感じさせる最後のシーンは秀逸だ。少しご都合主義的な捜査展開はご愛嬌。2019/07/25
MIKETOM
7
第57回(昭和47年)直木賞。筆者は和製ハードボイルドの草分けであり、後のこの分野の後輩たちに多大な影響を残した人らしい。50年以上古い作品でありながら現代に読んでも違和感はなく、けっこう面白かった。関西の某都市。広域暴力団が街全体を牛耳り政治家や富裕層、警察内部にまで侵食していて警察もうかつに手を出せない。そんななか、一匹狼刑事が執拗に追いかけ、もうすぐシッポを掴むというところで同僚を誤射してしまい依願退職。しかし民間人となってもまだ執念で追い続ける。敵に拉致監禁をされ拷問を受けたりしながらも→2025/04/18
おさむ
6
和製ハードボイルドの元祖。初めて読みました。神戸が舞台なので、誰が読んでも山口組がモデルなのは明らか。関西弁がちょっとおかしいのはご愛敬ですね。直木賞受賞作。2013/03/20
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