出版社内容情報
日本に妖怪ブームを巻き起こした『ゲゲゲの鬼太郎』。その原点というべき貸本時代の名作『墓場鬼太郎』シリーズが堂々完結。「怪奇オリンピック」と「ないしょの話」の2本をカラーページもそのままに完全収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
49
どんなエライお方でも死を逃れることはできない。ある富豪「お金はいくらでもだす、1日でも命を延ばしてくれ〜」。医者「輸血してみます」するとこの富豪はみるみると元気になり、歯は生え始め、白髪から黒髪へ、食欲も盛んになった。医者「この輸血は誰だ?」この男です。ネズミ男は(笑)生命についていいこと書いてあるのに、このギャグは面白い。ネズミ男もまた登場シーンがこれまた汚い。(๑´∀`๑)ヶラヶラゴミ箱あさるな!!こーゆうのがあるから水木しげる先生の本はおもろいな〜2019/10/23
OHモリ
17
・今回も2話収録。 「アホな男」 ・カネに困ったねずみ男が献血した血を輸血された瀕死の老人が蘇って若返ってしまう。鬼太郎は金もうけのために「あの世保険」という商売を始めて・・・妖怪オリンピックって何なんだぁ 「ないしょの話」 ・ヒトダマの干物をスルメと勘違いした鬼太郎がねずみ男から横取りして食べたら、鬼太郎が骨と液体になってしまった?いきなり主人公不在になって、目玉オヤジは落としも物からペットに?鯨神とか出てきて・・・ ・第6巻のシリーズ完結編もナンセンス怪奇コミック路線だった。2023/09/22
ホークス
11
貸し本復刻シリーズ。全体に絵が暗く、急展開したり冗長になったりする独特のテンポ。戦後的貧困感と怪談的寂寥感の濃厚な、お馴染みの水木ワールドに浸れます。鯨神の話では、ジェイコブズの有名な恐怖譚「猿の手」がモチーフに使われていて、何と目玉の親父が猿の手の代わり。これが怪談的な怖さを盛り上げている。2015/05/17
ふろんた2.0
4
★★★2018/04/26
袖崎いたる
4
『墓場鬼太郎』シリーズ読了。総括的な感想としては、実在しないものたちへの、彼らが実在しないということへの信頼を捨てよということであろう。信じられないものを信じるための判断停止の大切さは、平平凡凡な日常を過ごす嗜みとはならないだろうが、ぼくたちは驚嘆を愛する存在なのだから、何が起こるかわからない世界で、不足の事態にはびっくりしながらも、それをしっかり受け入れなければならないという嗜みもある筈だ。作中、こんなセリフがある。「インテリはものわかりがわるくていかん」ぼくらは虚心坦懐に世界に対峙しなくてはいけない。2015/05/01