内容説明
男を部屋に呼んだのは、体が切実に求めていたからではなかった。むしろ、どんな娼夫が現れるのか、じっくりこの目で見てみたいという挑戦的な気持ちが強かった。36歳の来美子には、30代と50代の二人の恋人がいて、彼らとの腐れ縁を絶つために、引越しの準備を進めているところだった。ダブルベッドが部屋の大半を占めているホテルの一室。30分遅れでドアをノックしたのは、ひと回りも年下に見える男だった…。息も詰まるような心理描写。プライドと恋の狭間に揺れる、来美子の新たな冒険が始まる。恋愛長篇の傑作。
著者等紹介
藤堂志津子[トウドウシズコ]
1949年、札幌生まれ。広告代理店勤務を経て、作家活動に入る。直木賞候補作「マドンナのごとく」でデビュー、「熟れてゆく夏」で第100回直木賞受賞
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感想・レビュー
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キムチ
34
筆者作品に適不適、結構多い。これは当たり。どろどろした官能内容と思いきや、30歳代女性の性体験に基づく自尊感情を描いている。心理描写がひんやりとしつつも、屈折していて唸ったり、突き放したり。プライドを突き詰めていくと逆説的に進んで行きかねない生きて行く姿勢の矛盾すら感じさせられる。
ゆめ
24
題名のプライド。自分が壊れないための、一つの防御手段に他ならないと… そんな気持ちを持ちながら 娼婦のくせに相手を思い どうせ娼婦を買うような女なんだからと相手に思われながらなんとなくダラダラと付き合い様を描く。なんだか残るものはなかったかな(._.)2015/09/19
つるりん
1
何を考えてるのかわからない由貴が気持ち悪い。 執拗で陰湿な岩村も気持ち悪い。 でも30代と50代の恋人がいて、自分が買おうとした娼夫に「恥ずかしくないのか」と説いてみたりする来実子が一番気持ち悪い。2014/06/03
音
1
プライドというか、女の意地。意地とプライドは違うような気がするんだけど。。。。。この作家の作品は初だったので楽しみに読んだが 期待しすぎていたか 特に残るものもなかったのが残念2014/03/15
harugariru
1
いつか面白い展開になるのかな と思いつつ読んでたけど、特に何も起こらなかった2013/06/26




