内容説明
あの青年の夢を砕いてしまったのは私だ。三年前の〈やらせ事件〉が、今度の殺人を招いたのか―。真冬の学園都市に交錯する、少女たちの謎の集団自殺と地上げ屋殺人。そして、学長選挙と予備校進出をめぐる不透明な陰謀。やらせ事件の発端となった一枚の写真を撮影した元カメラマンの探偵辰巳翔一は、失踪した青年の捜索を、早紀という少女から依頼される。殺人の嫌疑をかけられた青年の無実を信じ、真相を追う辰巳。その行手には、過去の迷宮が待っていた。歪んだ教育環境下の少年少女たちの孤独と寂寥を描くハードボイルド学園ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
25
負けました。このような気持ちにさせられるなんて。題名もいい。2008/10/31
ナンナル
1
普通に良い作品。ところどころ、主人公を間抜けにして話を進めるのには違和感はあったが、個人的な受け止め方か。懐かしいというか、古い設定のお話。だけれど、そこにいる人間の感情は変わらないのだろうな。どうでもいい疑問ではあるが、現代の情勢でこの話を書くとどうなるのだろうか。少しばかり興味がある。2010/03/28
夜梨@灯れ松明の火
0
再読2014/05/07
Darbytime
0
学園都市が舞台のハードボイルドな話。終盤の容疑者が二転三転する件はちょっと駆け足気味。主人公が無鉄砲すぎであまり魅力を感じられなかったのが残念。2013/12/05
シロー
0
香納さんの初期作品。やっぱりまだ若いというか青い印象。物語を複雑にしすぎて登場人物の魅力が半減。ハードボイルド小説の場合特にですが、人物主導で物語は後からついてくる感じの方が良い作品になるような気がします。2012/05/30