内容説明
名将・加藤清正に始まる有力外様大名、肥後熊本五十四万石の加藤家は、清正の子・忠広の代に改易となった。名門の大藩を破滅に導いた三代目・光正の度し難い悪戯とは何だったのか?表題作のほか、関ケ原に敗れ、流罪となった宇喜多秀家を支えた人々を描く「母恋常珍坊」、赤穂浪士の討ち入りから70余年後、その思い出を語る尼僧の正体に迫る「堀部安兵衛の許婚」など、江戸初期から後期まで、江戸情緒を切り取った作品集。
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年、栃木県栃木市に生まれる。本名・加藤保栄。東北大学文学部卒。72年、第34回文學界新人賞佳作入選。87年、『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞、93年、『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年、『二つの山河』で第111回直木賞を受賞し、2005年、『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。1973年より91年まで文藝春秋に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maito/まいと
14
筆者曰く「奇人変人列伝」(笑)まあ、烈士もいるけれど、確かに「えっ?」と思わせる人たちばかりを描いた短編が収録されてます。もっとも、タイトルにもなっている短編「若君御謀反」に関しては、奇人とか変人とか、そんな基準で測っちゃいけない‘若君’への情けなさがつきまとう(涙)本当にこんな人いたの?と思わせるほどの愚童ぶり。そりゃお取りつぶしになるよ・・・2012/02/09
Yukihiro Nishino
10
中村彰彦氏の短編集。悪戯が過ぎてお家を取り潰された殿様や、見事仇討ちを成し遂げた者、名裁きを見せた奉行、稀代の大嘘つきの尼さんなど、いろいろな人物が描かれていて面白かった。2016/06/03
喪中の雨巫女。
7
《母‐図書館》【再読】しかし、情けない殿様を持つと大変だなあ。清正さんが、偉大すぎたかな。2013/03/31
雨巫女
2
肥後藩に、住んでいる身としては、「若君御謀反」。でも、面白かったのは、「堀部安兵衛の許婚」。2010/06/18
にき
1
(売)仇討ちものはスカッとする。2011/10/21