内容説明
壬生浪士、略して壬生浪と蔑称されるところから身を起こし、佐幕派第一等の武闘集団にまで成長していった新選組は、短い絶頂期を終えると急速に瓦解していく。尊攘激派を京から一掃して以来の増長と士気の弛緩、相次ぐ粛清と隊内抗争、そして敗戦―。若さゆえに満たされぬ思いを胸に京をめざした新選組の隊士たちが、時流との戦いに敗亡していくまで、さらには明治を生きた元新選組隊士たちの歩みまでを通説と真実を徹底的に洗い直して描く真の新選組通史。
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年、栃木県栃木市に生まれる。本名・加藤保栄。東北大学文学部卒。72年、第三十四回文学界新人賞佳作入選。87年、『明治新選組』で第十回エンタテインメント小説大賞、93年、『五左衛門坂の敵討』で第一回中山義秀文学賞、94年、『二つの山河』で第百十一回直木賞を受賞。73年より91年まで文芸春秋に勤務
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感想・レビュー
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Die-Go
40
図書館本。幕末の京都において維新志士達を震え上がらせ、維新回天なり、賊軍となった後もあくまで抵抗し続けた新選組の歴史を様々な資料を元に追う。様々な資料と書いたが、それを元に筆者による若干穿った見方がなされており、読んでいて少し興醒めしてしまった。通史を知るにはいいかもしれないが、あまりお勧めしない。★★★☆☆2020/02/24
藤瀬こうたろー
19
前作「幕末・京都編」に続き、愛読書である本作を読了。前作もそうですが、新選組の軌跡を丹念に記述しており、特に本作は幕府が崩壊するきっかけともいうべき第二次長州征討から箱館戦争での土方の最期が描かれており、時勢の移り変わりと比較して時系列で読み進められるので読みやすいです。近藤の刑死の場面の物悲しさや会津や箱館に舞台を移してからの土方の将器の発揮っぷりが豊富な資料や考証を通じて生き生きと描写されます。他の隊士たちのその後にも触れてますし、新選組ファンには是非読んでいただきたい作品です。2020/01/18
ゆぅ
4
昭和62年発刊の物を加筆訂正して発売されたのが平成13年、令和の今、筆者がさらに加筆訂正したい部分あるのかなぁと思いながら読了。永倉さん晩年のエピソードは何度読んでもほっこりしますね。新選組隊士・鈴木寿一さん、初めて名前を聞きました。興味深いです。2021/11/12
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