内容説明
人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。「パブ・パピヨン」の広い店内で、自分の命に三千万円もの賞金をかけたレッドムーン・シバと名乗る謎の男。挑戦をうけたのは、素手の格闘では無敵の元レスラーのベアキル、手裏剣と小太刀の名人ハヤ、大型獣のハンターのブル、元警察官の金久木。そして、五人の男は、舞台として指定されたK山脈系の山野に分け入り、最も危険なゲーム“マンハント”がはじまった。男の散りぎわのダンディズム、武器への思い…。男の中の眠るものがうっすらと目をあける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
34
人間を簡単に殺せる技能を持つ4人の男たち。 元プロレスラー、手裏剣と小太刀の使い手、大型獣のハンター、ライフル射撃の名手。 彼らにある男が挑む。 山野における「人間狩り」。 山田風太郎の剣士や忍者同士の闘いに似てはいるが、この作品はやはり作者得意のハードボイルド作品。 挑む男が勝つのだろうと思いつつ、結末は実に「男気」があった。 挑む真の理由を知りたいとは思いつつ、面白く読めた。 ★★★★ 2018/06/11
KEI
33
ラスベガスで乱射事件直後だと言うのに、タイトルの意味を知らずに手に取り、その意味を知り一瞬後悔したものの、稲見さんの描く男の世界に魅了されていた。殺伐としたマンハントを描きながらも、舞台となった森や野鳥、それを撃ち食べる姿は他の作品に共通する自然への謙虚な姿だ。ある時は友情を、ある時は反目する男達の硬質な姿。稲見さんのダンディズムは読んでいて気持ちが良かった。2017/10/04
タツ フカガワ
20
サバイバルの達人、射撃の名手、手裏剣と小太刀の若き天才、格闘のプロの4人と、レッドムーン・シバと名乗る男のマンハント(人狩り)ゲーム。全7章のタイトルがS・マックイーンの映画にちなんでいるように、まるで映画を見るように楽しみました。最後に残った2人の対決後の会話がいかにも稲見さんらしい。巻末の“決闘/ハードボイルド”を論じたエッセイも興味深く読みました。2019/10/19
モリス
19
【90-15】マンハントもの。著者2作目。パブ・パピヨンに集まる4人の手練れに自分と対決してくれないかと持ちかける男が現れる。しかも申し出は各々の得意とする銃や小太刀・素手でという挑戦的な内容である。かくして腕に覚えのある4人と謎の男レッドムーン・シバとの熱い闘いが私有山林で繰り広げられることとなるのだが、本当に書きたいものだけを書いたと思わせるほど無駄な部分が無く、そこに著者と登場人物のダンディズムを感じる。たかだか220頁の作品であるが内容は物凄く濃いので期間をあけて再読したい作品。2019/05/24
ken_sakura
19
熱かった♪( ´▽`)書きたいものを書く著者の心意気が気持ち良い。戦士のクラブ「パブ パピヨン」に集うブル、ベアキル、ハヤ、金久木の四人にレッドムーンシバと名乗る男が山を舞台に殺し合いませんか?と提案して始まる物語。予めレッドムーンシバが山に入り、四人が後から山に入る形式。武器は銃や刀等自由。マンハントかつ決闘ものに、山でのサバイバルと狩猟も加わって、盛り沢山で面白く読んだ(^_^)2017/03/18
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