内容説明
ある冬の夜、24歳の雨宮純江は同じ会社の中年男性に処女を捧げた。そして、彼女は別れた妻へ電話することを約束させて、地下鉄に消えた―。でも、何故?純江はかつて楽しい大学生活を過ごしていた。友人の恋の橋渡しに手を尽くし、紹介された会社社長の御曹司とのデート…。だが父親の秘密をきっかけに、彼女の運命は暗転していく。若き女性のふと訪れた、悲しい恋の軌跡を描くラブ・サスペンス。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。1976年、「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。作品が映画化されるなど、続々とベストセラーを刊行。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
96
なぜ幸せになれないのだろう。 遠慮しているからいけないことは分かる。 遠慮していたら,遠慮していたなりの幸せがあってもいいはずだ。 赤川次郎の作品の中では、めずらしく根拠のない貧乏くじのような主人公。 そういう人生もあるという意味では小説なのだろう。 赤川次郎が何を書きたかったかは,三度読むまでわからないかもしれない。2013/12/02
『よ♪』
55
ちょっと驚いた。ミステリーとかサスペンスじゃなかった。静かで、どこまでも静かで、寒くてもほっこりと少しあったかくて、なんとなくやさしい空気を感じながら読んでた。だけど──。……ん。切ない。でも、読んでよかった。2021/03/11
nemuro
51
初出誌『野性時代』(1987年新年特大号)、翌年8月に文庫化。2007年11月、カバーイラスト・中村佑介氏による<赤川次郎ベストセレクション>9巻目の本書(改版初版)を購入。未読のまま、都度、JR貨物のコンテナ内にて道内各地(根室~函館~芦別~網走~函館)の列車旅を経て2017年4月、富良野到着。購入本を収納した数多の段ボール箱は直近から遡って順次開梱。2025年9月、「本・根室」(5箱)最後の1箱からの発掘。半年ぶりに乗車のJR富良野線、旭川行き「普通列車」の車中にて読了。ようやくの「哀愁時代」である。2025/10/11
神城冥†
38
報われない。報われなさすぎる。初めての相手がたまたま傍にいた人でそのままこの世を去るなんて。純江は総てに絶望してしまったのだろうか。なんかやりきれない。2016/03/22
鍵ちゃん
15
ある冬の夜、24歳の雨宮純江は同じ会社の中年男性に処女を捧げた。そして彼女は別れた妻へ電話することを約束させて地下鉄に消えた。でも何故?純江はかつて楽しい大学生活を過ごしていた。友人の恋の橋渡しに手を尽くし、紹介された会社社長の御曹司とのデート…。だが父親の秘密をきっかけに、彼女の運命は暗転していく。若き女性にふと訪れた悲しい恋の軌跡を描くラブサスペンス。確かこれは最後に彼女は…。2021/01/05




