内容説明
辻山は探偵事務所に勤める43歳。責任感もありまじめだが、やることはドジばかり。そんな彼が命令された仕事は、あと5日で親のいるアメリカに出発する、元気が過ぎる女子大生直美の監視兼ボディガードとおもり。気づかれないように後をつけるが、あっという間に尾行はばれてしまう。直美に翻弄される辻山の許に、元妻の幸子がギャングに追われ飛び込んで来た。跡取りを殺した疑いをかけられ、狙われているのだという―。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。1976年、「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。作品が映画化されるなど、続々とベストセラーを刊行。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海猫
92
これが原作の映画が公開された時代の空気は、主題歌を歌う薬師丸ひろ子とともに、脳内に刻まれている。が、本は読んだことなかったし、映画も見ていない。今回初めて小説を読んだ。古めの作品で、電話ボックスで十円玉とか部分的に時代性を感じるけれど、本筋は今読んでも面白かった。お金持ちの女子大生・直美と、しょぼくれた探偵・辻山の掛け合いが楽しい。特にハツラツとした直美のヒロインっぷりが可愛らしく、薬師丸ひろ子にこだわらずとも、アイドルを当てはめて読んでみたくなるというもの。展開もコミカルかつスピーディーで楽しめる内容。2020/08/08
ありす
36
久しぶりの赤川作品。昭和59年の作品とのことですが、そういえば携帯やスマホが登場しなかったなと思うくらいで、そんなに時代を感じることはなく、赤川作品らしい作品でした。ドジな探偵・辻山が受けた依頼は、お金持ちのお嬢様女子大生を渡米するまでの5日間監視すること。そこへ元妻が、ギャングの跡取りを殺したという無実の罪で追われて辻山の元へ。ギャングから逃げつつ真犯人を突き止めることに。ラストの展開には違和感が残りますが、全体的には面白く読みやすかったです。2018/11/22
hit4papa
36
ある年代の方々には、懐かしさに心の揺さぶられる作品です。うらぶれた中年探偵が仰せつかった仕事は、女子大生のお目付け役。お嬢様に振り回される探偵は、元妻が被疑者となった殺人事件に巻き込まれてしまいます。密室殺人のトリックは分かりやすすぎてトリックとさえ言いにくいものですね。本作品の目玉は事件そのものよりも、年の差カップルの恋の行方ということになりますか。極めてゆるふあの展開で、こういう緩さが受けた時代があったのだと感慨に浸りました。中年探偵がチャーミングにうつるには、もう二つ、三つ山場が欲しかったなぁ。2018/09/14
ぬぬ
17
中学生以来久し振りに赤川次郎の作品を読みました!大人になった今でも楽しめる内容と文章の読みやすさは相変わらず色褪せず、彼の作品は時代を超越しているのだと思います。お転婆お嬢様と探偵のおじさんがある事件を解決していく話なのですが、お嬢様(大学生)がまさかのおじさんを好きになっていくのにビックリ!!その年の差23歳。現代において段々年の差婚をする人が増えてきたけど、これが1982年創刊の作品なのだから赤川次郎は常に未来を先取りしている気がする。ロマンティックなラストにはお決まりの胸キュンもちゃんとありました♡2018/03/29
夜明けのランナー
16
約40年前の作品とは思えないくらいフレッシュ!小学生の頃に観た映画が刺激的すぎて、内容も幼い自分にハードルが高くて。だけど、あの時の映画館の匂いだけは今も覚えているきがします。松田優作さんに重ねながら楽しむことができました。2021/08/12
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