内容説明
ひとつのペンネームで小説を共同執筆する4人の男たち。元新聞記者で取材専門の景山。シナリオライターでストーリーを考える公路。「佳作すれすれ」の文学新人賞をとり、第一稿を受け持つ西本。そして最後の文章を仕上げる詩人の香川。それぞれの事情で妻に悩まされる彼らが選んだ新作のテーマは「妻を殺す方法」。アイデアを練るうち、夢と現実はごっちゃになって、事態は思わぬ方向へ!思惑行き交う新感覚ミステリー。赤川次郎ベストセレクション3。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。1976年、「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。作品が映画化されるなど、続々とベストセラーを刊行。「三毛猫シリーズ」『ふたり』「天使と悪魔シリーズ」『怪談人恋坂』他著書多数。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
119
小説を共同執筆する四人の男。 2人が執筆し、一人が構成,一人が情報収集という担当。 妻を殺す方法について、全員が原案を書いてみることに。 4つの小説内小説と、4人の生活がそれぞれ別に進む。 都合8つの筋書きが、重なり合って行く。2012/07/30
chiru
115
ひとつのペンネームで共同執筆する“4人の作家”たちは、「妻」との冷えきった関係に悩み、次の作品のテーマを《妻殺し》に決定。「4つの構成、4つの動機、4つの作中作、4つの殺害方法」というコンテンツを『小説家、脚本家、作詩家、インタビュアー』の4視点で原稿のアイデアを出しあう。何より作中作が面白く、狙われた「妻」が虚構と現実の間でリンクするのがスゴイ‼ 誰も死なないのに爽快なヤラレタ感!最終的には「5話」でひとつの物語。ユニークな離れ業がキマったメタ・ミステリでした。★4.52021/03/13
『よ♪』
52
あれっ!?これコンパクトな作品だけど傑作じゃん!?──と、思ってしまった。主人公は共同執筆作家、西公路俊一。まぁ藤子不二雄みたいなもんです(違う?)。4人で1人。2人で1人はプリキュア™みたいな?いや失礼💦この売れっ子さんがオムニバス小説のプロットを作るんです。4人で1つずつアイデアを持ち寄って。…で、タイトルにあるように奥様に悩まされてるんですよ、色々と。ねぇ?んで、そこから抜け出したい妄想を小説にするんですが──。この作中作がなかなかどうして面白い!そこの仕掛けも面白い!うーん、メタ構造。これ絶品♪2021/02/23
いしかわ
50
四人で小説を書いてる男たちが、妻殺しをテーマに各々物語を書いていく。赤川次郎の作品は軽くて、簡単に読めてしまうので あまり手にしてなかったが この作品は、すごい!と素直に思えた。四人の男たちの文体それぞれきちんと分けられ、個性もハッキリしていて展開に引き込まれる。私が考える結婚っていうものと、男の人ってものが そのままストレートに書いてあって笑える部分も、納得してしまう部分もあった。女性、男性共に読んでもらいたい本。2014/03/08
nemuro
46
2007年8月頃。当時、集中的に買い揃えていたらしい「赤川次郎ベストセレクション」(角川文庫)を最近、発掘。③本書(根室・伊沢書店)、④『晴れ、ときどき殺人』(紀伊國屋書店札幌本店)、⑧『殺人よ、さようなら』(リラィアブルブックス根室店)など6冊。懐かしさもありつつ、『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)で知った中村佑介氏のカバーイラストに惹かれてと思われる。思えば、本とは無縁だった私が、1980年頃、「網走~札幌」間など列車での長距離移動の機会が増える中、駅・キヨスクで買って読み始めたのが赤川次郎だった。2025/02/01
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