内容説明
サラリーマン・利根は、大学時代の同級生・野川からドイツ土産に“ベルリンの壁のかけら”を受けとった。壁が崩壊してから十年が経過している。なぜ、今頃―。不審に思う利根の周りで、次々に不可思議な出来事が。目撃した射殺死体が消滅。親友・永井は「おれは、殺される!」と言い残し失踪。そして永井の妻は死体で見つかった。あの壁のかけらが、悲劇を巻き起こすのか?統一前のドイツと現代日本を結ぶ、壮大なサスペンス・ホラー。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。76年、「幽霊列車」で第15回オール読物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。作品が映画化されるなど、続々とベストセラーを刊行
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポップノア♪@読書熱再燃中?
74
会社員の利根貞男は帰り道、白いコートの女が銃殺される現場に居合わせたことから連鎖するように奇妙な出来事に遭遇する。時を前後して、旧友からドイツ土産にベルリンの壁の欠片を受け取っていた。ベルリンの壁崩壊から10年後に出版された本作。「統一前のドイツと現代日本を結ぶ壮大なサスペンス·ホラー」との触れ込みに嫌な予感はしましたが、案の定私には少々ファンタジー色が強すぎたようです。それでも睡眠削って1日で読んでしまった訳ですが···。某サイトで赤川作品の上位に推されていただけはありますね。普通に面白かったです(笑)2020/06/10
ちょろこ
46
一気読みだった、一冊。ベルリンの壁をテーマに描かれたサスペンス・ホラー。赤川さん特有のコミカルさもあり、重くて悲しいテーマにもかかわらず、一気に読了。駒子さんのカバーイラストがこれまた雰囲気が出ていていい。遠い国の歴史の壁に隠されていたこと…そんなことについて、一歩近づいて知ることができた感じ。1989年11月9日に崩壊…この時期に読めたのがなんだかうれしい。2015/11/15
そうたそ
32
★★★☆☆ ベルリンの壁崩壊前の東西ドイツの問題を扱った著者としては珍しい社会派色をまとったミステリ。どこかホラー色もありながら、恋愛要素も交え、テーマ自体は重いながらも全体として著者の他作品同様、読みやすい作品に仕上げられている。個人的には可もなく不可もなくな内容であったが、こういったテーマ性のものをサラリとまとめてしまうあたり、流石のものである。それにしても著者の作品には若い女性が中年男に惚れるという内容が多い気がするが、著者自身にそういう願望でもあるのだろうか。2017/12/07
ゆう
13
統一前のドイツの闇に迫るホラー・サスペンス。赤川次郎らしい軽い文体ではあるけれど、悲しく重い歴史が見えてくる。酒井駒子さんのジャケ買いでしたが、期待以上の作品でした。 2013/06/17
よぶ
11
社会派ミステリーかしら?それともホラーかしら?とても読みやすく次から次へと起こる出来事が気になる為、一気に読んでしまいました(*'▽'*)赤川次郎さんは初読みでしたが、とても楽しめました♪2016/02/05
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