内容説明
南米のサンタアナ共和国を離れて、恋人の菊池祥子と共にフロリダに滞在していた、元フランス外人部隊の綴喜士郎は、サンマルティン共和国駐在武官を退役したばかりのコロン中佐から、思いがけない仕事の依頼を受けた。それは、十八世紀にカリブ海に沈んだスペイン船の財宝を引き揚げるというもので、綴喜は安全確保のための武器を調達し、洋上での警護を一任されるが…。時価一千万ドルの財宝に群がる男たちの野望が生む果てしない殺戮の嵐が濃紺のカリブ海を血の色に染めてゆく―。歴戦の著者が洋上を舞台に描く書下し海洋冒険小説。