内容説明
―もう一度、これまで私を育ててくれたすべての芸術、すべての文学、すべての映画、すべての音楽、すべての愛するものたちと、それを創ってくださったすべての人々に。ありがとう(「あとがき」より)。未発表原稿も収録した珠玉のエッセイ集が待望の文庫化。
目次
第1章 場所(てーげーが好き;一枚の写真 ほか)
第2章 モノ(赤くて辛くて熱いもの;釜メシが食べたくて ほか)
第3章 人(もっと、もっと。;別れてしまった恋人が ほか)
第4章 単行本未収録エッセイ(鵄が見守る島;塩と砂糖と魔法の島 ほか)
著者等紹介
鷺沢萠[サギサワメグム]
1968年東京都生まれ。上智大学外国語学部除籍。「川べりの道」で文学界新人賞を受賞しデビュー。「帰れぬ人びと」などで芥川賞候補、「ほんとうの夏」などで三島賞候補になる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
51
何度も死にたくなることはあったけど生きてて良かったと思う瞬間があるって書いてるのに、若くして亡くなったのは悲しいな…”「諦める」ことは「諦めないこと」よりもずっと辛い。世の中にはどうやっても諦める他ないことがたくさんある。「諦めるな」は他人に向かって言う言葉ではない。自分に向かって黙ったまま言う言葉だ”多くの男性は地位や権力を手に入れればモテると考えてるが、自分が男なら素のままの自分が相手にモテていなければ嫌だというのは共感w男が一人で食事してる女を見て寂しいと言うことに余計なお世話だというのもわかる笑!2016/04/13
マッピー
17
読み始めて数ページで、よみがえる。鷺沢萠の、小心でありながらとんがった文章の数々。ぼろぼろ涙を流しながら、仁王立ちで世間に立ち向かう彼女の姿。亡くなって20年以上。毎日新しい文章を探して彼女のサイトを覗いていたのは、そんなに昔のことになったのか。何度も何度も生きることの苦しさと、でも、それを越えた先の人生について書いている。終の棲家を探して旅に出る。連れ合いよりも絶対に長生きして、人生を謳歌しているだろう老後を想像している。なのになんで、という気持ちがいまだにぬぐえない。2025/09/16
いちの
9
あとがきと酒井順子さんの解説まで読んで、点と点が一気に繋がったような気持ちになった。旅の話、ルーツとしての韓国の話、負け犬の話。一見共通点のない話題に思えるけれど、全て「帰属性」について考え続けた鷺沢さんだからこそのテーマだった。過去形なのがとても悲しい。彼女の作品をもっともっと読みたかった。2017/08/06
ソラ
7
内容(「BOOK」データベースより) ―もう一度、これまで私を育ててくれたすべての芸術、すべての文学、すべての映画、すべての音楽、すべての愛するものたちと、それを創ってくださったすべての人々に。ありがとう(「あとがき」より)。未発表原稿も収録した珠玉のエッセイ集が待望の文庫化。 鷺沢さん亡くなってもう10年以上たったんだなぁ…2009/11/05
mami
6
亡くなられてから刊行されたエッセイ集。久しぶりに鷺沢さんを身近に感じました。好きでよく読んでいた頃を思い出します。この本の中で命を思いやるという下りがあるのですが、どうしてだろう、繊細すぎたのかな。自ら死を選んだことがどうしても信じられない。私はもっとあなたの作品が読みたかった。2014/12/05
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