角川文庫
奇跡の島

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  • サイズ 文庫判/ページ数 125p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041853078
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

内容説明

あれからどれくらいの時間が流れたのだろう。それを数えるのをやめてから、どれくらいの時間が流れたのだろう。沈みゆく太陽、消えない記憶。―この風景を忘れないでいような、真理子。あの人はそう言った。そうしてほんとうに、あの太陽は自分にとって忘れ得ないものになった。奇跡は決して起こらないから、奇跡なのだ―。鷺沢萠の小説と稲越功一の写真が織りなす愛と死の永遠の物語。

著者等紹介

鷺沢萠[サギサワメグム]
1968年、東京生まれ。上智大学外国語学部除籍。『川べりの道』で文学界新人賞を受賞しデビュー。著書に『さいはての二人』『失恋』など多数。

稲越功一[イナコシコウイチ]
1941年、高山市生まれ。1970年、フリーランス写真家として活動を開始。1980年、講談社出版文化賞を受賞。主な作品集に『男の肖像』『女の肖像』など多数
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評価
 

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

S.Mori

9
鷺沢さんらしい切ない物語。収録されている美しい写真が物語を引き立てています。どうしようもない状況の中で奇跡が起こるのを願わずにはいられない主人公の胸の内が、心を打ちます。自分の好きな人を失くしたら、どんな人でも似たような気持ちになるでしょう。結末近くのホセの言葉、「人には運命があるよ」が深い印象を残しました。これは若くして自死を選んだ鷺沢さん自身が、絶えず呟いていた言葉のような気がします。2019/07/26

いちの

8
ずっと言い出せなかったことを打ち明けるシーンがとても良かった。語り口は静かだが、人間臭い部分がくっきりはっきり書き出されている一冊。2019/12/04

4
鷺沢萠さんの小説がもう読めないのが、恐ろしいほど残念です。

ken

3
鷺沢は二十代半ば。根無草のように漂うものが帰っていける精神的な故郷、この頃から彼女はそれを求めていたのだろう。この短編は、拠り所を探して生きざるを得ないさみしい作家の姿をアレゴリカルに描いたものだろう。「さあ、家に帰ろう」こう言ってくれる存在は人が人生を生き抜いていくためにどうしたって必要だ。2020/02/08

CEJZ_

3
1P12行。元の本は1994年刊。古書店に行くと必ずやるのは、鷺沢萠の文庫をチェックすることです。それはもう限られていて、だいたいのものは把握しています。すべて制覇はしていませんが、読んだことがないものは今後も読んでいきたいです。そのような日々の中で、この本は見たことがなかったので、今回読んでみました。この本には写真がたくさんあります。中米、南米の風景でしょうか。あれからどれくらいの時間が流れたのだろうと思います。2016/05/08

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