内容説明
SF、ポルノグラフィ、ミステリー、民話。あらゆるジャンルを横断し、虚構の可能性を切り開く現代文学の冒険。幻の奇譚小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
21
☆☆☆★ まさしく奇書。パロディ・虚構のお手本のような小説(小説と言ってよいかわからない)。荒唐無稽な音楽作品、変なスポーツ、超マニアックな雑誌、恐ろしい病気、破天荒な文学など。面白かった。2019/02/03
田氏
20
偽書にSFに幻想世界、奇想のごた混ぜ詰め合わせ。だけど、書いたのが高橋源一郎となると、「あれ…?さようならギャン一郎にしてはフツーだな…」という気持ちになってしまう。節々に社会風刺風味をまじえるにしても、なんというか、そのやり口もどことなくフツーだ。過去のポストモダニった著作では、固有名詞と意味とをカットアップし、関係になにかを見出そうとする価値概念をもズタズタに切り裂いていたのだけれど、本作ではそういった攻撃性が、皆無とまではいかずとも、ずいぶんおとなしい。まあそれはそれでいいんだけど、やっぱフツーだ。2022/09/26
ちぇけら
13
ブンガクの宝石箱やぁ。『ペンギン村に陽は落ちて』の則巻千兵衛博士の発明品の目録から、かのニコちゃん大王の詩、マルコ・ポーロの偽『東方見聞録』、失われた「尻叩き」や「仲良し」といった職業、新しいスポーツや未知の植物に言語に病、野球にまつわる図書リスト、それから探偵小説だってある。こうやって並べるだけでも楽しい。そして読んでいけばいくほど、ぼくはゲンイチローさんという宇宙に解き放たれる。孤独だ。読書の、幸せな孤独。2018/09/25
林 一歩
8
読書家としての責任感から読了しましたが典型的な屑本です。読む必要なし。2012/10/08
Toshi
5
高橋源一郎の普通?の小説の方がオススメだけど・・・これはこれで凄い(^-^;高橋さん賢すぎ2016/03/11