感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
25
バブルの時代、その崩壊直後に同時代の記憶として短編小説の名手である作者によってかかれた。過去の記憶として遠ざかりつつあるあの時代が作者によって見事に小説に封じ込められた。一作一作がしっかり作ってあって並の短編小説集ではないです。バブルの時代、貧乏大学生だった僕にはあまり恩恵はなかったなあ。同世代の女の子はどんどん華美になっていってたし。あの時代に美味しい目にあった女性は、今でも、バブルの時はどうだったこうだったっていうもんな。。。タイトルは素敵すぎる。谷村さんの小説のタイトルって格好いいのが多いですね。2010/11/13
チェス
5
読みやすくどれも良かった。図書館本。2019/05/28
yamakujira
4
15話の短編小説集。バブルの余韻をひきずる女性たちをテーマにしたそうで、素晴らしく劇的で輝いていた時代を駆け抜けた女性の力強い姿を描き出したという評なんだけれど、そんな味わいをさっぱり感じ取れなかった。「銀河に浮かんだ耳朶」の奇怪な雰囲気とか、「アワ・スウィート・ルーム」のコミカルな展開とか、「とても若い妻」のかわいいラストとかがよかった。でも、どれも掌編と言えるほど短いせいもあって、物語が転がりだす前に終わってしまうような印象で、なんの余韻も残らない話が多かったなぁ。 (★★☆☆☆)2017/12/08
腰越ヒロシ
1
色んな意味で、寂しい気持ちを抱え込んだ人々が描き出される短編集。から配偶者や恋人や、実の親や実の子や兄弟や、親友や心から愛する人がいても、いや逆にそうした存在があるからなおさら、互いに100%わかり合うことなどできないことに人は気づき、たまらない寂しさを味わわずにいられない生き物なのだと繰り返し突きつけられるようだ。非情なようだけれど、諦念の底から再び生きることへの希望がにじみ出てくるような読後感を味わいました。「花のような人」改題。2025/06/10
のうえ
0
20040715