内容説明
分類―それはすべての煩悩を生み出す本能的働き。食事、排泄、生死からセックスまで人生は入れるか出すか。携帯電話をかけるか、かけられるかが人気のバロメーター。見られるために大枚をはたいて買う勝負パンツも、大抵の男は見ることがない。この世界の現象を二つに極めれば、人類が抱える屈託ない欲望が見えてくる。盲点をつく発想で世の常、人の常をゆるゆると解き明かした分類エッセイ。
目次
わかれる宿命(入れたり出したり;燃えるものと燃えないもの ほか)
わかれたくもなし(もらう、あげる;大と小 ほか)
わかれたつもりが(かける、かかってくる;馬鹿女と女馬鹿 ほか)
わけずにいられず(○と□;スネ夫とジャイアン ほか)
わかれゆくもの(敬語とタメ口;清潔と不潔 ほか)
著者等紹介
酒井順子[サカイジュンコ]
1966年東京生まれ。高校在学中より、雑誌にコラムを執筆。立教大学社会学部卒業後、広告代理店に就職。会社員を経て、現在執筆業に専念
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感想・レビュー
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ミカママ
406
これはもう、タイトルで一択。意味ありげな装丁画も悩ましい(笑)でもね、酒井さんですもの、それらしい記述もなくはないが、「お嬢様路線」(当社比)の作家さん。キッチリと線引きはされている。個人的にツボったのが、酒井さんオススメのエスカレーター。3つのうち、わたしも二つは経験あり。京都駅のもおそらく乗ったのであろうが、もうン10年も前だなぁ。え、どこどこ?と興味あるあなたはぜひ読んでみて欲しい。2022/06/18
naji
12
日常の中の何気ない二項対比をここまで考察するとは面白いです!2018/03/10
caizi
7
重箱の隅をつつくような着眼点に感心しきりだった。思わず「ぶふぁっ」と笑ってしまう箇所数知れず。挿絵がほのぼのしててほっこりもできる本でした。2019/02/19
サト
7
あーわかるわー。と思いながら読了。 僕もどちらかといえば分けたがり、分類常習者だったんだな。 とはいえここまで屁理屈だらけではないけどな。 自分がなんとなくやっていた分類をここまで屁理屈で理由付けしてくれると、なんとなくそんな気がしてきてしまう。 面白かった。 自分のみに迷惑が降りかからない屁理屈は非常に面白いよね。 ミスの言い訳とかの屁理屈は嫌いだけれども。2015/05/13
ピオリーヌ
6
著者の観察力の高さを改めて感じる。ディスカバリーミトン運動の箇所が特に好き。ミトンの可愛さは普遍的なのだ。2018/12/09