内容説明
私は両手を上に向けて、やれやれ、のポーズを取った。これは子供の頃に貸本屋で読んだ、「台風五郎」という、さいとう・たかをの劇画で覚えたのだ。あれはまだ、さいとう・たかをがまだ、アンチテーゼだった頃だ…。男の心を、人生を描く作家、南畑剛三の愛と冒険の軌跡。
目次
夜を吊るせ
そして、50人いる
筑波の夏に紙吹雪
魔都の炎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
4
これは、いしかわじゅんという不出世の漫画家による、北方謙三という一世を風靡したハードボイルド作家に対する挑戦であり、また友情の結晶化した作品である。内容はともかく、二人とも大人なのだなぁ、と感慨もひとしお。2014/05/15
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3
登場人物のカオスなかけあいが面白い。高橋一生さんが出ていた『ウルトラゾーン』の探偵ドラマを思い出した(ちょっと怪獣ネタもあるし...)。2018/01/01
カンパネルラ
2
読みはじめはなんかつまらないレトリックが多いなぁ~とか思っていたけど、すぐにこの本の面白さがわかった、なにしろ無茶苦茶である。漫画家が書いた小説らしいもんがあった。なにしろネタが細かく笑える。探偵モノなのだがふざけきっていて、最高。特に最後の香港の話は良かった。