内容説明
明治２８年、３２歳の長南年恵は、世間を騒がし、愚民を惑わした容疑で、警察に６０日間の拘禁をうけた。この間、彼女は飲食、排泄をすることなく、その上に、拘置所の虚空から霊水一壜をとりだしてみせた。また、昭和６年、驚異的な念写能力をもった三田光一は、月の裏面の念写に成功、その正確さは近年証明された。この二人の傑出した霊能力を綿密に検証した霊人の存在証明は、そのまま、大霊界の宣伝マンを自称する著者の、大霊界の実在説を証明するものである。
目次
１部 霊人の証明長南年恵（“極楽”から来た少女；長南家の人びと；霊能力の発端；郷土資料館＝庄内の災厄；「御霊水」の謎；魔女裁判；年恵の帰郷と晩年時代 ほか）
２部 霊人の証明三田光一（５１年前に“月の裏側”を見て来た男；福来博士との出会い；東京本郷の怪事件；念写実験の科学性；“俗人”か“超人”か；現代の念写実験 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デビっちん
23
再読。夏の怪談よろしく、現代科学では解明が不可能な物質化や念写を行った人の記録が淡々と記載されています。本書ではそれらを行う人霊人と呼んでいます。実際にこういう人たちがいたという証拠に鳥肌がたちます。2018/08/13
デビっちん
6
霊人は存在する。2人の霊人のエピソードが紹介されている。あまりにも奇跡を行うため、生きた人間としては考えられず、危険人物として指定され2度も逮捕された長南年恵さん。67日の拘留機関中、ほぼ絶飲、両便不通、祈り時の笛の音、物質化、入浴を許されていなかったのに艶やかな髪とただよう芳香といった、現代常識では考えられないことが記録されていた。中でも、密封された一升瓶に「霊水」を満たすことは、裁判の記録として記載されている。科学が発達していない昔でさえ恐れられていた能力に驚嘆した。2015/09/22
dexter4620
2
富士山にて読了。偶然山小屋で読みきろうと持って行った一冊だったが、長南年恵が富士登山を好んでしていたという記述を見つけてびっくり。彼女がしたように富士山の岩場に頭地礼を行い、本にある彼女の写真も同様に岩場に横たえました。このご縁を元に、年恵が眠る山形県鶴岡市にある般若寺にも行ってきます。2019/07/08
設楽ウルス
1
今は亡き俳優、丹波哲郎氏の本を読了。戦前に居た超能力者、本の中では霊人として二人を紹介している。このような本を読むと今はまだ科学では証明できない何かがあるのではないかと考えさせられる。2017/04/09
dexter4620
0
3年振り2度目の読了。鶴岡市に行く機会があったが、この本の事は失念しており、前回の感想にて思い出した。また鶴岡市へ行く良いきっかけになりそう。年恵女については良く分かったが、三田光一の念写については実物を見てみたいところである。2022/05/24
