内容説明
大好きな史也と結婚する前に、一度だけ「お見合い」というものをしてみたい。満たされた恋で幸せな毎日を送る滝真由子にとって、それは余裕の気持ちが産み出したほんの遊び心。恋人の史也も、笑って賛成してくれた。そして真由子は、親戚からきた見合いの話に、ふざけ半分で応じることにした。だが、お見合い相手の男は真剣だった。真由子の魅力に一目惚れをした彼は、思いつめた表情でこう言った。「私はガムテープ男です。一度くっついたら離れません」。
著者等紹介
柳瀬明彦[ヤナセアキヒコ]
1993年慶応義塾大学経済学部卒業。2000年東北大学大学院経済学研究科研究助手。三菱経済研究所研究員
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感想・レビュー
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mr.lupin
55
真由子は大好きな史也と結婚する前に一度だけお見合いというものをしてみたいと、そんな軽い遊び心で親戚から持ち込まれた見合い話に冗談半分で応じてみた。しかし真由子はその見合い相手に心変りしていく。そこまではよく有るパターンだが、そこから恐怖の展開が... ここまではそれなりに楽しめたが終盤に向けてチョッと強引な結末だったような。それと史也の父親がもっと活躍するかと期待したが何だか肩透かしをくらった感じだった。遊び半分のお見合いはやってはいけない。☆☆☆☆★2020/03/13
coco夏ko10角
15
結婚を考えてる男性がいるのに遊び心でお見合いをしてみることにした真由子だが…。お見合い相手のこととか彼氏父子とか途中までけっこう面白かったけど終盤…。しかしそういうラストか。2022/01/16
まーこ
12
“~相思相愛の恋愛は結婚した時点でもうやることがない、文字通りゴールインであとはなにも残っていない。お見合いは違う。これから愛を育む喜びがある~”途中、ホラーから離れて考えさせられる台詞でした。2017/09/08
Yu。
11
幸せ絶頂の優越感からなのか、ちょっとした余裕が主人公を奈落の底へ突き落とすサイコサスペンスホラー。容姿はもちろんのこと、何故会ったこともないお見合い相手の名前まで事前に言い当てたのか!次第に深まる彼への疑惑と予知の謎とが交錯し、次第に真実が明らかになっていく頃には。。「お、おまえかい!( `皿´)キーッ!!」移り気な主人公が乗り出した事とはいえ、あまりに気の毒ですし、また 本命の苦労は一体 … 。とにかく染み込んでくる恐怖感がたまりません。で、ラストは強烈!冷かし半分はダメ!2014/06/21
林檎依存症
11
恋人がいるのに結婚に踏み出せない真由子は、彼の良さを再認識するため、一度だけお見合いをしたいと言う。あれこれ理由をつけて、彼の了承を得た真由子が家に帰ると、偶然にも母がお見合い写真を見せてきた。応じることにした彼女だが、相手の男は――。内容はともかく、責任やら面子やら、タイトル通り「お見合い」という制度について考えさせられた。黒幕が1番悪いことに変わりはないけど、ふざけてお見合いするなんて失礼だし、送り出してしまった彼にも落ち度があったと思う。まぁ、可哀相だけど…。結局、全部自分に返ってくるのかな。2013/08/12