内容説明
妻は化け物かもしれない。おれは怖い、怖くて家ではもう眠れない!中年男が真夜中に目撃した妻の恐るべき姿!―『踊る少女』モナリザなんて大嫌い!どうしてあの絵を見せようとするの!レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に脅える女が隠す、驚くべき肉体の秘密―『モナリザの微笑』引っ越しても引っ越しても、また自分の隣にやってくる不気味な住人―『隣の江畑氏』など、吉村達也が描く恐怖世界を満喫できる究極のホラー短編七作収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジンベエ親分
33
B級感あふれるホラー(笑) マザコン男、ストーカー、仮面夫婦、熟年離婚と、心霊ではなく人間の怖さを見せつける短編集。極端でしつこくてあざとくて笑っちゃうほどだけど、ホラーってそうなんだよね。「モナリザの微笑」が白眉。この最後の1行の衝撃ったらない。「親戚」は筒井康隆が書きそうなナンセンスの風味が漂う。「11037日目の夫婦」はあまりの極端さに笑いがこみ上げるが、光景を想像すると確かにこれはとてつもなく怖い(笑) 「初恋」ほどの強烈さはないけれど、悪くはない1冊。2017/06/10
Yu。
24
気になる人の顔写真の左右半分ずつを覆って見比べるとその人のもう一つ顔が覗けるの‥「モナリザの微笑」。女はね、幾つになっても息子を他人に渡したくないの「美和さん」。財力のあるストーカーって ある意味鬼に金棒だね「隣の江畑氏」。世の旦那さん方、これは決して対岸の火事ではありません‥「踊る少女」「11037日目の夫婦」。子供は何より愛される事が大切‥それを怠ると‥「ぜったいナイショだよ」。出世の足を引っ張るのは敵だけではない「親戚」。といった七篇の倒錯劇。お気に入りは「隣の江畑氏」「 11037日目の夫婦 」。2019/06/27
みなみ
20
再読です。どこかで起こりそうで、ちょっと怖くてさくさく読めました。「美和さん」「踊る少女」がゾクリとしました。2020/04/16
koguma
14
懐かしさに手をとった吉村達也の角川ホラー初期作品。多作は駄作などと中傷を受けているようだけど、この頃の吉村作品が私は大好きだった。この他にも,「文通」「初恋」「先生」は読む価値ありだと思う。ホラーとは言っても、幽霊の類ではなく、人の心の闇というか、人間の怖さをテーマにしているので、これまた私好みなんだなあー。2015/07/27
くにぴこ
7
サイコサスペンスの短編集。表題作がなんともいえない怖さにあふれている!2016/04/29