出版社内容情報
大手ヤング雑誌出版社「文文堂」の編集部員がロサンゼルスでたて続けに3人変死した。新犯人を追って警視庁捜査1課の俊英刑事が事件を追う本格ミステリー。
内容説明
最初はディズニーランド、次はヨットハーバー、そして荒涼たる砂漠―出版社「文文堂」の新雑誌創刊号の取材のためにロサンゼルスを訪れていた一行が、異国の地で次々と不審な死を遂げた。悲劇も三度重なれば邪悪な作為の存在が匂ってくる。新社長の座を巡る抗争が招いた殺人との噂も立ったが、犯人の姿なき殺害方法がわからない。一方、文文堂に激しい怨みを抱く元社員の男が、新社屋完成披露の日に、ビルの大爆破計画を立てていた。謎解き本格推理とタイムリミット・サスペンスが見事に融合したラストシーンは圧巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
268
吉村達也さんの3冊目は実質は2冊目という事で、海外で出版はされていませんがカバーには「マーダーズ・イン・ロスアンゼルス」と内容そのまんまやないかーい!と突っ込みたくなる英語タイトルが書かれていますね。今回は単発作で出来栄えはうーん、惜しいなという所ですが、とにかくスピーディーに読ませる腕前は超一流でサスペンスに手に汗を握らされ一気読みさせられましたね。謎解きパズルとタイムリミット・サスペンスのドッキングに成功した趣向ですが、話が上手く行き過ぎなのと計画性がずさんで出たとこ勝負のアバウトさが不満足でしたね。2022/08/08
そのぼん
17
雑誌の編集部がメインで繰り広げるミステリーでした。 国際的な事件展開で、スケールが大きかったので、最後まで楽しめました。2012/06/10
wm_09
4
次期出版社社長の座をめぐって、二つの創刊号の熾烈な争いが繰り広げられる。この創刊号を出すそれぞれの部署のトップが、社長候補なわけだが、二人とも凄く嫌な雰囲気を纏った男。読んでいて苛々させられる。本格をやろうという意識はひしひしと感じられるものの、どうでもいい場面転換が多すぎて乗りきれず。ただし殺害トリックは奇抜で好き。もう奇抜でも何でも無いんだろうけど、問題はそのトリックにおけるホワットの部分ですので。(ローウェル嬢)2010/02/25
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3
西田文作のような人が今の日本には必要だよな2018/09/08
コマンドー者
1
多作ミステリー作家の吉村 達也氏の極初期の長編。雑誌社を舞台にして、日本とロサンゼルスを股にかけたスケールの大きい設定だが、メインの殺人トリックとかはこじんまりとしている。 社屋爆破のサスペンス要素も盛り込んで、それなりに最後まで楽しませる。2023/08/04